[女性誌速攻レビュー]「Seventeen」11月号

「Seventeen」SNS中毒のJKに「アンチ対策」!?  違和感を覚える犬山紙子のアドバイス

2019/10/29 17:00
藤本なつき
「Seventeen」2019年11月号(集英社)

 「Seventeen」(集英社、以下ST)11月号は、「JKは増税に負けない!! 秋の超絶コスパ計画★ TOTAL¥7777以下で実現! おしゃ安☆ JK的メジャーコーデTOP10」と題して、“低価格”を前面に押し出した、ファッション企画が多く用意されています。“わかりづらい”軽減税率制度やキャッシュレス還元制度に頭をひねってばかりいて、「安い服でおしゃれをすればいいじゃない!」という単純な考え方をすっかり忘れていました。クレジットカードを持っていなくても、増税に負けないJKの姿勢を見習うべく、早速中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎大友姉妹のコスパHiGH&値段LOW着まわし14days
◎キレイな脚に見せるテク
◎JKの5人に1人が被害にあってる!!(涙) 今日から悩まないために……アンチ対策本部2019

カフェもドリンクも写真の小道具……SNSに生活を侵食されるJK

 初めにチェックしていくのは「大友姉妹のコスパHiGH&値段LOW着まわし14days」です。ST公式アプリ「ST channel」内で行われるコーディネートバトルに、姉妹で参加するという架空の設定の元、着回しコーディネートを紹介するという企画。

 ストーリーは、「頑張ってフォロワーさん、増やすぞ!」と気合を入れるところから始まるのですが、「フォロワーを増やすこと」は“目的”ではなく、あくまでもランキングの上位に食い込むための“手段”。まずは、「おしゃれ」を頑張るのが先なのでは? と思わずツッコミを入れたくなります。さらにストーリーは進み、4日目には「話題のカフェへ行ってみた! BAEる写真が撮れるかな?」という文章が。「インスタ映え」という言葉は定着しつつあるものの、「カフェは写真を撮るための場所」という認識に違和感を覚えました。そのほかにも、「トレンドドリンクを持つ日は着こなしでこなれ感」や「じわじわきてるバナナジュースでお姉ちゃんをリード」といった言葉が並んでおり、彼女たちにとって飲み物は、写真撮影の小道具にすぎないようです。14日目に、姉妹揃って「フォロワーが1000人達成」するところで物語は終了するものの、コーディネートバトルの勝敗は明記されておらず。コーディネートバトルこそ、“架空”のものですが、SNSへの投稿内容や“フォロワー数”ばかりを気にするSNS中毒の女子高生の生活を垣間見ているようで、不安になってしまいました。

“恥ずかしさ”が邪魔をする!? 読者にはハードル高めの美脚ポーズ

 次に気になった「こっそり&がっつりすらり見せ。脚のことならプロ=モに聞け! STモがテッテ―伝授!! キレイな脚に見せるテク」は、STモデルが日頃から行っている「脚長見えポージング」や「美容法」など美脚テクニックを掲載しています。


 写真だけでも「美脚にサギりたい」という読者の願望をかなえるべく、STモデルが「ウエストの位置に手を置く」「片方の脚に重心をのせる」といった美脚ポーズを5パターン披露するのですが、単純にモデルのスタイルが抜群な上に、美脚ポーズを“取っていない”バージョンの写真が掲載されていないため、「美脚に見えるのかどうか」を確認することができません。また、「美脚にサギりたい」という気持ちは理解できるものの、日常生活の中で “わざとらしい”ポーズをキメるのは、恥ずかしいという感情が邪魔をしてきて、なかなかハードルが高そう……。友人と写真撮影する際、“美脚ポーズ”を取る自分の姿を想像したら、なんだかゾっとしました。

SEVENTEEN (セブンティーン) 2019年 11月号 [雑誌]