サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー無個性JK、上野千鶴子氏のアドバイス カルチャー [女性誌速攻レビュー]「Seventeen」9月号 「Seventeen」上野千鶴子氏、無個性JKに「日本を支えるのはあなたたち」と女性学を説く! 2019/08/29 21:30 藤本なつき 女性誌レビューseventeen 「Seventeen」2019年9月号(集英社) 「Seventeen」(集英社、以下ST)9月号は、「夏休みは毎日が勝負服 JKの夏! 無敵の着回し大作戦」ということで、私服の着回し企画が目白押し。それもそのはず、日々の大半を制服で過ごすST読者にとって、夏休みは私服のおしゃれを楽しむ絶好のチャンスなのです! しかし、毎日のコーディネートに頭を抱えていたとしても、さすがに着回し企画だけで「5本」もあるのは、なんだか多いような気がしてしまいます……。また今号では、東京大学入学式で述べた祝辞が話題になった、社会学者・上野千鶴子氏によるお悩み相談という硬派な企画がネットで話題になっていましたが、早速中身を見ていきましょう~! <トピックス> ◎今田美桜×横田真悠オトナなシミラールック。 ◎JKなんでもスコアブック ◎上野千鶴子先生×花恋×ST読お悩み相談室 「日本一おしゃれな2人組」の“普通すぎる”ファッション感 初めにチェックするのは「ニホンイチおしゃれな2人組Notコドモななかよしコーデで夏イベ映えしよっ! 今田美桜×横田真悠オトナシミラールック。」。ドラマ『花のち晴れ』(TBS系)で大ブレークした今田と、STの看板モデル・横田が、服や小物の雰囲気と色を統一したコーディネート「シミラールック」を披露した企画です。“ニホンイチ”おしゃれな2人組ということなので、ハイセンスなコーディネートを見せてくれるのかと思いきや、スタイリストが用意した服を着ている“だけ”の普通すぎる内容でした。 例えば「1枚でキマる花柄ワンピース」を着用した2人は、「黒だとクールに見えるもんだね」「オトナっぽいデザインだったのも、ステキでしたよね」と、さほどファッションに興味がない人でも抱く感想をコメントしています。また、バンダナ&メガネといった小物で「おしゃレトロ」スタイルにチャレンジしているのですが、「この巻き方、かなり上級者っぽくない?」「(バンダナの)結び目を下めにするのがオトナに見せるコツなのかも?」と“初心者”のような発言をしているのです。 ファッションにあまり興味がなかったり、おしゃれに目覚めたばかりの読者にとっては、わかりやすい内容はあるものの、2人から「ニホンイチおしゃれ」な感じはまったく伝わってこず、タイトル負けの企画でした。 中身がない……1万人の女子高生のデータ! 次に見ていく「女子高生のありとあらゆるDATAが明らかに! JKなんでもスコアブック」では、読者1万人の平均身長、平均体重、スリーサイズ、ブラのサイズ、足のサイズ、親の呼び方、共学or女子校、好きな言葉などさまざまなデータが掲載されています。 ティーン誌で“やりつくされた感”満載のアンケート企画ですが、「多様性」が叫ばれる昨今、体にまつわる平均値を計算する必要はあるのでしょうか? 小柄な人や大柄な人など、“それぞれ”の特徴に生かすファッションやヘアスタイルを提案する企画を見たいものです。 ちなみにST読者の好きな言葉は「ありがとう」、尊敬している人は「母親」、飼っているペットは「犬」が1位とのこと。想像通りのひねりがない質問と回答の数々に、「つまらない」を超えて「無」の感情が湧いてくるほどでした。次のページ 上野千鶴子氏による、“10代向け”の「女性学」は全世代に突き刺さる 12次のページ 楽天 付録なし版SEVENTEEN (セブンティーン) 2019年 09月号 [雑誌] 関連記事 King&Princeと「妄想デート」、モテテクニックは「昭和」! 「Seventeen」の夏は純粋?経験人数200人超えの高校生ヤリチンが、童貞の悩み相談! 「Seventeen」男子企画はどう読むべき?永野芽郁は高級ブランドアピール、日向坂46は“非モテ”設定!? 読者の共感に乏しい「Seventeen」JKの「ブラックバイト・部活」に注意喚起! 優等生を良しとする「Seventeen」に募る不安量産型JK育成計画!? 男には“性的アピール”、友達にはとにかく“共感”と説く「Seventeen」