サイゾーウーマンカルチャーインタビュー武蔵小杉より怖いタワマンリスク カルチャー インタビュー 武蔵小杉「停電パニック」より怖い!? 台風、地震……タワマンのさらなる災害リスクとは? 2019/10/29 16:30 サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman) インタビュー Photo by Ryosuke Sekido from Flickr 台風19号の大雨の影響により、神奈川県・武蔵小杉の47階建てタワーマンションの地下にある配電盤が浸水し、24階まで停電が発生。また、水を上層階までくみ上げ、各世帯に供給するという仕組みも、停電によって不具合が生じ、「全戸断水」という事態にも陥ったのだ。エアコンやテレビが使えないのはもちろん、エレベーターも動かず、トイレも流せない状況に、住民がパニックになっていると、連日テレビや新聞で取り上げられていた。 「災害に強い」と言われていたタワマン神話は一気に崩壊したように見えるが、今回露見した以外にも、タワマンは、さまざまな恐ろしいリスクをはらんでいるようだ。今回、『限界のタワーマンション』(集英社新書)の著者・住宅ジャーナリストの榊淳司氏に話を聞いた。 「タワマンは災害に強い」イメージはなぜ生まれた? 今回、武蔵小杉のタワマンの停電は、なぜ起こったのだろうか。榊氏は「私はまったく予期し得なかったのですが」と前置きした上で、次のように解説してくれた。 「下水の処理能力に増して雨が降り、多摩川から逆流した水がタワマンの地下に入って、そこにあった電気室がダメになり、停電したわけです。なぜ水が地下に入り込んでしまったかというと、地下駐車場のシャッターが開いていた可能性も否定できません。武蔵小杉のタワマン11棟のうち、停電したのは2棟で、ほかの棟はシャッターを締め、土嚢で浸水を防ぐなどの対策を取っていたという話も聞きました」 タワマンは災害に強いというイメージもあったが、それは偽りだったのだろうか。 「たまに『災害でタワマンが折れることはないか』といった声を耳にしますが、よほどの手抜き工事がなされていればわからないものの、1981年以降の新耐震基準に沿って建設されたマンションであれば、理論上『折れる』なんてことはありませんし、実際にそのようなことは起こっていませんよね。そもそもなぜ『災害に強い』というイメージが生まれたかといえば、東日本大震災直後、デベロッパーが、『タワマンは災害に強い』ということを大々的にアピールするようになったことが影響しているのでは。当時、私は不動産広告業界で働いていたのですが、新しい物件が出るたびに、広告の3割程度のスペースを割いて『こんな備えをしている』などと宣伝することはよくありましたね。しかし、今回、災害に対するハード面以外での脆弱性が露見してしまったかもしれません」 次のページ タワマン停電が引き起こす、ストレスやパニック 123次のページ Yahoo 限界のタワーマンション/榊淳司 関連記事 「港区の高級マンション」なのにクソ物件!? 素人が見落としがちな“貸主”という落とし穴“クソ物件”はなぜ生まれるのか? 「裸の王様になりやすい」不動産オーナーの実態「かぼちゃの馬車」には絶対に住みたくない! 女性専用シェアハウス住人たちのリアルな声【アラサー一人暮らし、理想の賃貸物件を探す】「事故物件」のリスクが伴う意外な条件って何!?超高級賃貸物件における“謎のスペース”の正体を知った、ママ友との食事会!