魔法がとけました

「かぼちゃの馬車」には絶対に住みたくない! 女性専用シェアハウス住人たちのリアルな声

2018/03/29 17:21
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スマートデイズ公式サイトより

 首都圏を中心に女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を展開するスマートデイズの“サブリース家賃不払い問題”が、世間に波紋を呼んでいる。同社は、「頭金なしで投資でき、30年間家賃収入を保証」といった謳い文句で、約800人の会社員などをオーナーに勧誘。現在、数億円規模のローンを組み、物件を購入したオーナーたちは、「返済はどうすればいいんだ」と悲痛な声を上げ、同社と役員、また関連会社などを相手取り、損害賠償を求める訴訟騒動にまで発展しつつある。オーナーに融資をしたスルガ銀行への責任も問われるなど、騒動はいまだ解決の糸口が見えず、今後も“大炎上”が続いていくことだろう。

 そもそも家賃不払いが発生した背景には、かぼちゃの馬車の入居率が低かった点が挙げられる。2016年に出版された、同社(当時・スマートライフ)の前代表取締役・大地則幸氏の著書『「家賃0円・空室有」でも儲かる不動産投資――脱・不動産事業の発想から生まれた新ビジネスモデル』(ダイヤモンド社)では、「入居率9割」とされていたものの、実際には4割前後だったとの指摘も。

 スマートデイズは、たとえ入居率が低くても、入居者に対して、提携先企業への人材派遣の斡旋を行い、紹介手数料を得るというビジネスモデルを考えていたそうだが、これがうまく回らなかったようだ。ネット上には、各地の「かぼちゃの馬車」の近隣住民から「確かに人がいる気配がしない」「誰も住んでいないのでは?」といった声が飛び交っている状況である。

入居者のことがわからないのはトラブルの元

 なぜ「かぼちゃの馬車」には人が集まらないのか――? 実際に女性専用シェアハウスに住む人たちに話を聞くと、その理由の数々が見えてきた。「上京したてであまり貯金がなく、でも職場への交通の便がよいところに住みたくて、都心&駅近の女性専用シェアハウスを選んだ」と語る30代のAさんは、かぼちゃの馬車破たん騒動を知り、ネット上に散見される実際の入居者たちの声を読んで、「私だったら絶対住まない」と思ったそうだ。

「報道でもよくいわれていますが、入居者たちが集う『共有部分』がほとんどないという点が気になりました。私が住んでいるシェアハウスの入居者は5人。広いリビングに集って、会社の愚痴を言い合ったり、恋愛相談をしたり、クリスマスパーティーなんかをするんです。私はこういう“入居者同士のつながり”目的でシェアハウスを選んだわけではないですけど、ほかの入居者と仲良くなり、楽しく生活しています。実際に、交流目的でシェアハウスに住む人も多いから、そういう人にはかぼちゃの馬車は選ばれないですよね」


 共用のリビングがないと、「大手シェアハウス専門募集サイト『ひつじ不動産』『東京シェアハウス』の掲載条件を満たせないため、シェアハウスに住みたい人に情報が届かず、結果的に入居率を下げる要因となった」と、報道では盛んに指摘されている。

「入居者のブログやTwitterを読むと、入居者同士、挨拶をしたり、ちょっとした会話はすると書いている人もいました。でもやっぱり、一般的なシェアハウスに比べると、交流は薄そうですよね。『個室のドアの下部分に隙間があるため、ほかの人の生活音に悩まされる』『洗面所に髪の毛が落ちてて嫌だった』といった意見を見て思ったのですが、相手のことをあまり知らないから、イライラするのかなって。うちのシェアハウスも、隣の部屋の子がオナラした音まで聞こえますけど(笑)、仲がいいからそこまで気にならないですよ。“お互い様だよね”と思えます」

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