サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー“モテ=最高”の価値観に疑問符 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「Seventeen」10月号 「Seventeen」女子高生に「男の意見が大切」と説く、“モテ=最高”の価値観に疑問符 2019/09/28 17:00 藤本なつき 女性誌レビューseventeen 男子高校生の偏見を受け入れることが “青春”!? 次に見ていく「制服の着かたや教室での行動、どこからがモテる? モテない? 男子がJUDGE!! 学校モテのボーダーライン」は、読んで字のごとく男子高校生(DK)が、ST読者の学校生活のあらゆること――「ポニーテールの高さ」「髪の巻き方」「体操服の着方」などについて、“モテない”“普通”モテる”で判定するというもの。例えば「ポニーテールの高さ」については、髪を縛る位置を数センチ単位で変えた5パターンの写真を掲載し、モテ度を検証しているのですが、そんな微々たる点を気にする人なんて、本当にいるのでしょうか……。さらに、「授業中の寝方」に加えて「ハチマキの巻き方」「スマホケースの種類」「通学中の過ごし方」までDKに評価を仰いでおり、居眠りする際「両手ほおづえはあざとすぎ」、通学中に「勉強や読書をしているコは優等生なんだろうなぁって感じでニガテ」など、ひどい言われようです。 DKの偏見が詰まった“ワガママコメント”にゾッとしたのはもちろんのこと、編集部の「(○○によっては)モテないらしいから、注意してね!!」「女友達と盛り上がるのも楽しいけど、男子にも“いいね”と思われたほうが、より青春が楽しいぞ」といった「男子モテ=最高」とする “化石”のような価値観に違和感を覚えました。 「絵文字の色」「改行」にダメ出し……細かすぎる男は本当に“イケメン”!? 最後に気になったのは、「ガチで男ゴコロに刺さるモテLINEってどんなの!? STモのLINEをイケ読が添削してみた!」。STモ6人が、好きな人に送りたいアプローチLINEを、イケメン男子読者が“きびし~く”添削するという企画ですが、ここでも「男子モテ」ごり押し! どうやらST読者の頭の中は、“男子”に浸食されているようです。 添削内容はというと、絵文字の色やハートの種類、改行や空白にダメ出しをするなど、くだらないものばかり。LINEに文句をつける男子側の心も狭すぎますし、女子側もそんなことを気にしている時間があるなら、単語の一つや二つぐらい覚えた方がいいような……。そもそもたかがLINEの文章に、細かくイチャモンを付けてくる男子は、本当に“イケメン”読者と言えるのでしょうか? 今月号は、いつもにも増して、「男子モテ」が目立ちましたが、こんな風に男性目線を意識した学校生活を送っていたら、友達からあきれられてしまう可能性もありますし、勉強や部活動などにも支障をきたしてしまうのでは。先月号で上野氏は「イヤなことをイヤ、好きなことを好きって、言っていいんじゃない?」とST読者に語っていたものの、今月号は男子目線を受け入れることを推奨する正反対の企画が目白押しでした。 (藤本なつき) 前のページ12 最終更新:2019/09/28 17:00 楽天 SEVENTEEN (セブンティーン) 2019年 10月号 [雑誌] 前号で勝ち得た信頼を、自ら無にするとは…… 関連記事 「Seventeen」上野千鶴子氏、無個性JKに「日本を支えるのはあなたたち」と女性学を説く!King&Princeと「妄想デート」、モテテクニックは「昭和」! 「Seventeen」の夏は純粋?経験人数200人超えの高校生ヤリチンが、童貞の悩み相談! 「Seventeen」男子企画はどう読むべき?永野芽郁は高級ブランドアピール、日向坂46は“非モテ”設定!? 読者の共感に乏しい「Seventeen」JKの「ブラックバイト・部活」に注意喚起! 優等生を良しとする「Seventeen」に募る不安 次の記事 『ハンドメイズ・テイル』トリビア >