サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「Domani」渋谷区ママの恐ろしさ カルチャー [女性誌速攻レビュー]「Domani」10・11月号 「Domani」子どもの学校が「私立か区立か」でマウントを取り合う、渋谷区在住ママの恐ろしさ 2019/09/22 18:00 島本有紀子 女性誌レビューdomani 「Domani」2019年10・11月号(小学館) ワーキングマザー向けにリニューアルされた「Domani」(小学館)の10・11月号が発売されました。独特の味がある文章を毎回楽しみにしていた高島彩さんの連載エッセイ「高島彩の『ママ時間』『ノーママ時間』」が、この号をもって終了という残念なお知らせはありましたが、ほかは通常運行です。 特集は「服は“たった5枚”あればいい(ハート)」。表紙には、実の娘を抱く“モデル兼エディター”という肩書の望月芹名が立て膝で鎮座し、「ワー/ママになって初めて私たち、スティーブ・ジョブズの気持ちがわかりました…!」とのキャッチフレーズがドーン! ジョブズが“効率を考えて常に同じコーディネート”だったという部分への共感なのですが、「ジョブズの気持ちがわかる」は少々大げさである気が。何ごとも盛って語りがちな「Domani」の癖が出ております。自分の名前が日本の女性ファッション誌の表紙を飾るとは、天国のジョブズも思っていなかったことでしょう。ジョブズもビックリな中身、早速、見ていきましょう! <トピックス> ◎私たちが“新・ドマーニスト”33人です! 「ニッポンのワーキングマザーはかっこいい!」 ◎服は“たった5枚”あればいい(ハート) ◎実録!? 東京23区・働く母の生態ファイル「渋谷区の女」 読者モデル33人が多すぎる! 今号では、公募していた読者モデル「ドマーニスト」が発表になりました。「Domaniを象徴する存在」として誌面に登場していくという彼女たちは、総勢33人。その全員が巻頭の企画「私たちが“新・ドマーニスト”33人です! 『ニッポンのワーキングマザーはかっこいい!』」で紹介されています。 撮影は、写真家のレスリー・キー。みんな白いトップスにジーンズというファッションで、キメキメのヘアメイクを施され、風に吹かれながらポーズをとっていることもあって、よく似た雰囲気の女性ばかり33人も集めたなぁというのが第一印象です。 ワーママ向けの雑誌なので、当然みなさん子育てと仕事をする女性。プロフィール欄には自身の職業、年齢のほかに、子どもの性別と年齢、どのように仕事と育児に取り組んでいるかをアピールする紹介文も。なんでしょうか、この「素晴らしいですね」としか言わせないような圧……。素晴らしい、確かに素晴らしいのだけれど、読んでいると息苦しくなるのはなぜでしょう。「Domani」側の「普段は忙しくてボロボロのワーママたちをキレイに撮ってあげました!」感、「みなの者、これが目指すべきママ像だ! 彼女らに憧れろ!」感が漏れ出ているのも原因でしょうか。 それにしても33人は多すぎる。その後の誌面にも「ドマーニスト」がやたら出てきます。ですが皆さん似ているので見分けもつかず、「やけにたくさん人間が写ってるなあ」という感想しか浮かびません。いやしかし、育児と仕事とドマーニストの三足のわらじ、本当に素晴らしいです。 次のページ ジョブズの精神はどこへ? 123次のページ 楽天 Domani (ドマーニ) 2019年 10月号 [雑誌] 関連記事 「Domani」登場の「世田谷ママ」はなぜキャラが薄い!? オシャレな街の知られざる凡庸さ「Domani」豊洲タワマンママ登場! 「子どものトートバッグ」でママ友選ぶ、恐るべき“価値観”「Domani」港区ママエピソードは偏見まみれ!? 「工作用の箱はエルメス」などネタの宝庫55万円の時計をつけて「高見え」ファッションを説く「Domani」のトンチンカンさ「Domani」スニーカーを脅迫めいてゴリ押すも……カジュアル服に「人格ちぐはぐ」否定