傷んだ髪をサラサラに……「ドライヤー」「洗い流さないトリートメント」の使い方をプロに聞く!
――では、髪の毛を傷ませない乾かし方を教えてください。
齊藤 基本は「洗髪後、時間をかけずに完全に乾かすこと」。キューティクルが開いた状態でドライヤーをあてると熱のダメージを受けやすいので、ダラダラ時間をかけて乾かすのはNGなんです。そのために何をすべきかと言うと、タオルドライで髪の水分をしっかり取り除くこと。水滴が落ちなくなるくらいまで、念入りにしてほしいですね。このタオルドライをあまりしていない人が結構いるようなんですが、ドライヤーの時短にもつながるので、ぜひやってほしいと思います。髪の長い人は、タオルで押さえるようにしながら、毛先の水分までしっかり吸い取ってくださいね。
――まだ暑い日が続いてるので、できるだけドライヤーをあてる時間を短くしたいという人も多いと思います。そのためにも、タオルドライは大切なんですね。
齊藤 時短という点では、タオル2枚を使ってのタオルドライもオススメ。1枚目は浴室に置いておき、髪を洗い終わってすぐに、水気を切った髪に巻きます。そのまま湯船に浸かったり体を洗ったりして、お風呂から上がったら、2枚目のタオルで巻き直します。そうすると、5分ほどで結構水分を吸い取ってくれるので、最後にワシャワシャっと拭いてからドライヤーをすると、早く乾かせるんです。洗髪後に巻くタオルを吸水性の高いものにするのもいいですね。
――ドライヤーの正しいあて方もあるのでしょうか?
齊藤 タオルドライ後の20分以内に、ドライヤーで頭皮、髪の毛、毛先の順に乾かしていきます。頭皮は髪の密度が高いので、かき分けるようにして、ドライヤーの風をまんべんなくあてて乾かしてください。頭皮がきちんと乾いたら、髪を浮かせながら風をあて、頭頂部の方から順に髪全体をしっかり乾かしていきます。髪の毛を動かすのではなく、ドライヤー自体を揺らしながらあてると、早く乾きますよ。傷みやすい毛先は最後に、キューティクルを毛羽立てないよう、斜め上側45度から風を送って乾かします。短い時間で全体をきちんと乾かすためにも、ドライヤーの風量は最強に。ただ、温度が高いと髪が傷みやすいので、ドライヤーの熱は70度くらいの低温に設定しておきましょう。
――温度設定ができないドライヤーで、熱が高い場合はどうしたらいいですか?
齊藤 ドライヤーを髪から離すと、風が届くまでのあいだに温度が下がるので、10~15センチくらい離してあててみてください。
――髪をしっかり乾かすことの大切さはわかりましたが、朝に髪を洗ったときなどは時間がなく、ととりあえず毛先だけ乾かして出てしまうことも多いです。
齊藤 それは最悪ですね……。洗髪後、皮脂が出るまでに約5時間かかるのですが、この皮脂は頭皮や髪を紫外線からガードする働きがあるもの。朝洗ってすぐ外に出ると、ノーガードで紫外線を浴びてしまい、頭皮も髪も傷めてしまいますよ。なので、朝シャンは良くないんです。さらに、きちんと乾いていない状態だと余計に紫外線の影響を受けやすくなってしまうので、毛先を乾かすくらいなら、頭皮だけでもしっかり乾かす方がまだいいですよ。
――なぜ毛先より頭皮なのでしょうか?
齊藤 紫外線予防というのもありますが、根本が乾いていないと、たとえきちんとスタイリングしても、時間がたつにつれて髪がうねってきてしまいます。何事も、土台からきちんと作っていかないと、崩れやすいということです。