インタビュー

若者の「政治アレルギー」とどう向き合う? 「ViVi」炎上を経た、ファッション誌編集者の葛藤

2019/07/19 21:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman
「ViVi」公式サイトより(現在削除済み)

 7月21日に参議院議員選挙を控える前月(6月)のこと、講談社が発行するファッション誌「ViVi」のWeb版が、自民党とのタイアップ広告記事を掲載し物議を醸した。現在はすでに特設サイトも閉鎖されているが、極めて異例な企画だけに大きな波紋を呼んだ。

 6月10日、「ViVi」のWeb版が「わたしたちの時代がやってくる! 権利平等、動物保護、文化共生。みんなはどんな世の中にしたい?」というタイトルのPR記事を公開。この呼びかけに、同誌の公認インフルエンサーである“ViVi girl”が、「ハッピーに生きていける社会にしたい!」「いろんな文化が共生できる社会に」「自分らしくいられる世界にしたい」など、それぞれの思いを語り、また、同誌の公式Twitterアカウントは、PR記事のリンク先とともに、「みんなはどんな世の中にしたい? 自分の想いを #自民党2019 #メッセージTシャツプレゼントのハッシュタグ2つをつけてツイートすると、メッセージTシャツがもらえるよ!」と投稿。瞬く間にツイートは拡散され、反応があったが、そのほとんどが「若い人に自民党に対する良いイメージだけを植え付けようとしている」「自民党の広報誌?」「自民党の政策と相反している」というような批判や疑問の声だった。

 そんな中、女性向けファッション誌の作り手側である編集部員A氏も、この「ViVi」の自民党タイアップには「凄まじい衝撃を受けた」という。「クライアントである自民党の政策を企画内で何ら説明していないだけでなく、ほかの政党との比較も行っていない。モデルに党のロゴマークが入ったTシャツを着させて、理想とする未来を語らせるという『雰囲気』だけでバックアップしていることに疑問を抱きました」と企画意図には疑問を隠せない様子だが、一方でファッション誌において「若い読者に向けた、政治への関心を高める企画」を実現することの難しさを実感したという。今回、その内情を明かしてくれた。

ピンクとグレー