サイゾーウーマンコラム2億円貢いだ“結婚”という甘言 コラム 高橋ユキ【悪女の履歴書】 「私は彼の奥様だから」堅実な銀行OLが2億円貢いだ“結婚”という甘言【足利銀行2億円横領事件・後編】 2019/07/07 19:00 高橋ユキ 悪女の履歴書 男の逮捕を知り「あの男を死刑にして」 「今となれば、悪かったのは自分だとわかってますが、あの男に対する憎しみが湧いてくるんです。早く捕まえてください。銀行のお金をごまかすのにはどうするか、みんなあの男が教えてくれました。 途中から警察にバラすと脅されたり、殴られたりしたこともありました。あの男から連絡がなければお金を返してもらえないと心配だし、連絡があれば乱暴されたり金を持って来いと言われはしないかと怖くてたまりませんでした」 取調室でこう語る章子。しかし、章子の知らないことはまだあった。安田は、貢がれた金で競馬情報と予想新聞の発行を行う会社「国際ユニオン開発センター」を立ち上げ、章子逮捕の前々月には六本木にクラブを開店するなど、羽振りの良さを見せつけた暮らしを送っていたのだ。 9月18日、東京・五反田駅の西口で愛人とともに逮捕されたとき、2億円超を貢がれた安田が所持していた金はわずか250円だった。逮捕の知らせを受けた章子は、取調室で手を叩いて喜んだという。“私は彼の奥様なんだから”“彼が私の全て”――結婚を夢見た相手であったが、「あの男を、一生、刑務所から出さないで……。死刑にしてほしいほどなんです」「女の生き血を吸って生きている、悪い男なんです」と、章子は罵り続けた。 (高橋ユキ) 【参考文献】 「ヤングレディ」昭和50年8月11日号 「週刊女性」1975年8月12日号 「微笑」 昭和50年8月30日号 「女性自身」昭和54年10月18日号 「女性セブン」1975年8月13日号 「アサヒ芸能」1975年8月7日号 前のページ123 最終更新:2019/10/08 18:28 楽天 昭和の結婚 21歳でそこまで結婚に追い詰められる時代って…… 関連記事 「埋めてこい」実の父親が指示――8歳女児を死に至らしめたもの【葛飾区女児誘拐殺害事件・後編】「一生懸命セックスした」不倫4年、男の子どもを殺めた女が語る“愛の証し”【葛飾区女児誘拐殺害事件・前編】11歳少女はなぜ友人を殺めた? 「佐世保小6女児同級生殺害事件」と少年犯罪の現在“お受験殺人”の名で隠された、「音羽幼児殺人事件」“ママの世界”の本質ママ友の子どもを殺めた“ママ”の実像――「音羽幼児殺害事件」から現代へ 次の記事 美 少年・佐藤、笑顔で「オシッコしたい」 >