サイゾーウーマンコラム8歳女児を死に至らしめた父親 コラム 高橋ユキ【悪女の履歴書】 「埋めてこい」実の父親が指示――8歳女児を死に至らしめたもの【葛飾区女児誘拐殺害事件・後編】 2019/06/10 17:00 高橋ユキ 悪女の履歴書 下町の風情の残る東京都葛飾区で「仙石商店」(仮称)を営む石崎伸一(仮名・37)は、若くして親から受け継いだ会社を切り盛りする“下町のプリンス”だった。妻・聡子(35)との間に、中学生の長男と小学生の長女がいたが、妻の目を盗み、事務員・八文字美佐子(25)と情事に耽る不倫関係を続けていた。約4年前から続く関係にほころびが生まれた時、一人の少女が命を奪われた。 (前編はこちら) 昭和49年8月、妻・聡子の浮気を疑った伸一は、美佐子にこう告げた。 「あいつの浮気がはっきりとわかれば、離婚してお前と一緒になる」 これを信じた美佐子は興信所に調査依頼を行った。すると調査に勘づいた聡子は、子どもを連れて実家に帰ってしまう。ある日突然、伸一のもとに戻ってきたが、美佐子はこれでいよいよ離婚かと、伸一の自宅二階に成り行きを確かめるため潜んだ。しかし、そこで夫婦の本当の姿を知ってしまう。 「社長さんは、奥さんが帰ってくると『愛しているのはお前だけだ』なんて言って、挙句にはセックスまでしたんです。その時の私の気持ちは……いてもたってもいられない位でした。嫉妬を感じました。その次の日に社長から会社を辞めてくれって言われたんですけど、その時なんです、私が心から社長さんを好きになっているのに気がついたのは……」(公判供述) 伸一は、妻と体を重ね、二人でやり直すことを誓った翌朝「昨夜のことは全部知っている」と美佐子からものすごい剣幕で詰め寄られた。たじろいだのもつかの間、やはりほだされて関係を復活してしまい、間もなく美佐子を、自宅から離れた事業所に復職させた。 その矢先、事件は起こったのである。 次のページ 「誘拐したら社長は困るだろう」 123次のページ 楽天 不倫 関連記事 「白雪姫」の“セックス恐喝”――欲望に殺された男たち【福岡スナックママ連続殺人・後編】木嶋佳苗死刑囚、三度目の獄中結婚――「佳苗さんを好きになることは、宗教を信仰することと一緒」被害者が口にしていた言葉15年にわたる実父の強姦が黙殺された「栃木実父殺し」から現在――社会に排除される女性と子ども「宮家の後継者」を自称、マスコミ・芸能人を巻き込んだ「有栖川宮詐欺事件」の女恋人の遺体と45日間生活、交際5年の果てに女が犯した「ラストダンス殺人事件」