サイゾーウーマンカルチャーインタビュー山内マリコ×笹井都和古が語る、地方と消費 カルチャー インタビュー対談【後編】 ネットのおかげで「ここには何もない」感覚が薄れる――山内マリコ×笹井都和古が語る、地方と消費 2019/07/13 18:00 番田アミ インタビュー 「今、Twitterのアカウント10個くらい持ってます」 ――『県民には買うものがある』の収録作「シー・イズ・メイ」では、Twitterが物語の核となり、登場人物を動かしています。お2人がTwitterを始めたのはいつでしたか。 山内 私は2010年。 笹井 私も2010年、高校2年生の頃です。その時はまだガラケーで、「yubitter」というサービスを使ってました。高校時代は、もうずーっとTwitterを見てました、移動教室の時とか。高校時代の思い出が“Twitterの画面”と言っても過言ではないほどです。私も「シー・イズ・メイ」に登場する“メイちゃん”のように、友達がいない高校時代を過ごしていたので、文章だけで笑わせるツイートを投稿してました。生み出した別人格が、よりどころになっていたように思います。 山内 現実の自分のキャラに満足していないと、余計にやりがいがありそう。友達が多いリア充の子はTwitterとかやっていましたか? 笹井 中学の頃から、ヤンキーもガラケーで個人ホームぺージを作っていた時代だったんですよね。今日の出来事を羅列して、日記を書いていたような。ヤンキーがネットで幅を利かせていたので、非リア充が黎明期のTwitterに逃げた感じです。その後、大学に入るとリア充もTwitterをやり始めて……そうなるとこっちは、アカウントを分けるようになりましたね。 山内 今、何個ぐらいアカウントあるの? 笹井 10個くらいです。 一同 えーーーー!? 笹井 作家の名前と、リアル用と、リアルの中でも“厳選”した人たち用と、オタク用と、グッズ取引用と……。 ――何のオタクなんですか? 笹井 「A3!」という、イケメン育成アプリです。 山内 完全に未知の世界だ……! (右)山内マリコさん(左)笹井都和古さん 笹井 高校時代は「mixi」もまだ活気があって、人と出会ったりしてました。本当に、表題作通りの展開です。 山内 mixiとは書いてないんだけど、「これ、mixiのことだ!」ってすぐわかりました。私、一番思い入れあるSNSはmixiだから(笑)。笹井さんは、1994年生まれということは2000年代前半に小学生だったってことですよね。デジタルネイティブというか、SNSネイティブ。それが小説にもすごく表れてました。 次のページ 「mixi」が教えてくれた、SNSとの向き合い方 前のページ123次のページ 楽天 県民には買うものがある 関連記事 ギャルもサブカルも“田舎”へ吸収される――山内マリコ×笹井都和古対談「地方出身女の生き方」“東京”と自分の距離感――長谷川町蔵×山内マリコが話す「東京女子の生きざま」田舎の幸せは「結婚」――東京に生きる女の子と地方の幸せのゴール「東京は希望」「東京には何もない」山内マリコ×中條寿子の女子と地方楽しい買い物で社会貢献 途上国や震災の被災地で生まれる高品質商品のショップ3選