元男娼・SNSで話題のカマたくさん×『男娼』著者・中塩智恵子さん対談(前編)

Twitterで話題の元ウリセンボーイ・カマたくさんが、「売春を始めたきっかけ」を明かした理由

2019/06/22 20:30
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

父親への思い

中塩 ちなみに、お父さんの借金の総額はどれくらいだったのでしょうか?

カマたく たぶん1000万円くらいだったと思います、ざっくりですけど。母親は私が「20歳になったら離婚する。とりあえずそれまでは、なんとか耐えようね」と、ずっと言ってたんですよ。でも、19歳の夏くらいに父親ががんになったので、しょうがねぇから最後まで面倒見るかとなったんです。

中塩 お父さんが亡くなった時は、どういう気持ちになりました?

カマたく 私は焼き鳥屋でバイトをしていて、店を片付けてからじゃないと駆けつけられなくて、死に目には間に合いませんでした。その時は悲しいというか、「あぁ、死んだんだな……」みたいな感じでしたけど、葬式の時は不思議と泣けましたね。父親としてはなんとも思ってないけど、やっぱり家族だったんだなっていうのはありました。

中塩 今は、お父さんに対してどういう感情を持っていますか?


カマたく 何もないです。無です。もう死んじゃったし、家族の中でも別に話題にも上がらないくらいです。年に一回、命日あたりでちょっと話をするくらいです。

中塩 お墓参りに行ったりとかは?

カマたく 私は行かないです。母と姉は行っているみたいですけど、私は行かないです。基本。

(後編へつづく)

カマたく
歌舞伎町のバーCRAZEの店長。
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中塩智恵子(なかしお ちえこ)
ライター。宮城県石巻市出身。アダルト系出版社を経てフリーランスのライターに。主に女性週刊誌で執筆。現在、新宿二丁目在住。著書に『風俗嬢という生き方』『男娼』(ともに光文社)がある。
7月20日(土)に『男娼』トークイベント開催。詳細はHPにて 

最終更新:2019/06/23 22:37
男娼
壮絶な人生……