サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「Domani」港区ママは偏見まみれ!? カルチャー [女性誌速攻レビュー]「Domani」4・5月号 「Domani」港区ママエピソードは偏見まみれ!? 「工作用の箱はエルメス」などネタの宝庫 2019/03/17 16:00 島本有紀子 女性誌レビューdomani 「Domani」4・5月号(小学館) 「Domani」(小学館)は前号から隔月刊になるにあたり、ワーキングママ向けファッション誌に大リニューアルしました。少し前まで婚活企画もあった同誌ですが、バリキャリ独身、DINKS読者のことは、すっぱり切り捨ててしまったようです。 新キャッチコピーは「脱ママ! 脱モテ! 脱真面目!」。ですが、その中身はワーキングマザーを本当に応援したいのか、それとも笑いものにしたいのか、測りかねるものになっています。世間のワーママ像をゆるがしかねない新「Domani」、4・5月号の中身を早速見ていきましょう! <トピックス> ◎“かっこいいオカン”になろう! ◎イケ★ママ的かっこいい白って!? ◎実録!? 東京23区・働く母の生態ファイル「港区の女」 表紙に「おかあさんずっといきてね」 新「Domani」の最も気になるところ、それは表紙。リニューアル第1号だった前号では、特集名「ママと呼ばないで」を大々的にアピールし、その背後には「えっ!?お子さんいらっしゃるんですか?」「今さらモテても迷惑なだけ」「“ママに見えない”が最高のほめ言葉」「“〇〇ちゃんのママ”、本日休業中」……等々の言葉がつらつらと並んでいました。「子持ちに見えること=良くないこと」というイメージを刷り込みされているようで、ぞわぞわしてきます。 表紙モデルも、上品なイメージだった小泉里子から新人の望月芹名に交代。ご丁寧に、表紙で「私、こう見えてママで編集者で表紙モデルです」と自己紹介されていました。「これくらい肩書掛け持ちでなくちゃ、『Domani』を読む資格ないのよ!」と言われているようで、これにも怖気づいてしまいました。 そして、今号の特集は「かっこいいオカンになろう!」。前号ではママと呼ばれたくないと言っていた割に、オカンは良い様子。表紙には、子どもの手書きふう文字で「おかあさんずっといきてね」「ママのおしごとかこいい」「ままのかっこいいところはびーるのんでるとこです」などの賛辞が並びます。本来、微笑ましい内容なのですが、表紙モデルの挑戦的な眼差しと合わさると、どこかホラーに見えるから不思議です。 中身にも、子どもに聞いた「ママのかっこいいと思うところはどこですか?」というアンケートの結果がずらり。「あまぐりのかわをママがガンっとわったこと」「こえがおおきい」「(プラレールの)せんろをつくってくれるところ」など、かわいらしい答えが続きますが、驚いたのは編集部による以下のまとめです。 「なるほど、結果、わかったこと、それは、子どもたちにとって、仕事に、家事に、毎日忙しいママたちのかっこいいと思うところ=カンペキじゃなくたって、ときに凹んだり、泣いたり、怒ったりしながらも、頑張っている…そんなママが大好きって、ことなんですね」 読点の多すぎるポエム文で、ママ側の願望がたっぷり入った解釈をしています。 前号と今号を並べて読むと「ワーママは他人から子持ち扱いされたくないのに、他人には“私は子どもに愛されてるママ”アピールしたい」「ママである自分を受け入れられないけど子どもには愛されたい」という厄介な存在であるように見えてきます。ワーママのイメージを「Domani」が下げているようにしか見えないのですが、これでいいんでしょうか!? 次のページ 「4歳以上ママは白トップス解禁」がダサすぎる 12次のページ セブンネット 「Domani」(小学館) 関連記事 55万円の時計をつけて「高見え」ファッションを説く「Domani」のトンチンカンさ「Domani」スニーカーを脅迫めいてゴリ押すも……カジュアル服に「人格ちぐはぐ」否定バリキャリ志向を突如ブッタ斬った、「Domani」の人生100年「しなくていいこと七か条」収入UP、知的&こなれを謳う「Domani」の俗念を浄化する堂本剛の詩的な語り「Domani」神崎恵の“24時間タスク”、「どんなに暇でもやらないし」と思った点