失恋したら「自撮りをSNSにアップ」!? 「ar」に見る“かまってちゃん”を受容する新時代
今月の「ar」(主婦と生活社)のテーマは「LOVE特集号 大好きな人に大好きって言おう!」だそうですが、その中身はかつてないほど、とっ散らかっています。特に後半。「年度末の号だし、まだ実現してなかった企画、全部やっちゃおう!」という、編集部の事情なのでしょうか。通して読んでいると、自分が何の雑誌を読んでいるのかわからなくなってくる「ar」3月号の中身を、早速見ていきましょう!
<トピックス>
◎今こそオンナを磨くべし! 恋を失った時にする10のコト
◎LOVE ME真冬のHYGGEな暮らし
◎気になるオトコは鈴木だった!
「ar」読者も失恋するらしい
前半のメイク・ファッションページは、「恋をしたら着たい服」「好きバレ服&メイク」「LOVE顔ってこんな!」「LOVE 専COLOR ON ME」など、まだ「LOVE特集号」感があります。その集大成のような読み物が、「今こそオンナを磨くべし! 恋を失った時にする10のコト」でした。恋をして「好きバレ! LOVE顔!! LOVE専!!!」と盛り上がる「ar」読者にも失恋は平等にやってくるようです。なんとなく「ar」読者には失恋で落ち込むイメージがなかったので、「ああ、同じ人間なんだなぁ」と妙に安心しました。
編集部、雌ガール(ar読者モデル)、タレント・ぺぇなどが、失恋したらやるべきことを紹介してくれています。編集部がセレクトしたのは、「ダイエットをする」「仕事に打ち込む」「イメチェンする」「新しい人と出会う」など、王道ばかり。こちとら中学生時代に卒業したものばかりです(仕事は部活に変換)。そうか、失恋慣れしていないモテ女子「ar」読者には、こういった初歩的なことから教えないといけないのだな……と感じました。
雌ガールたちからは「リア充っぽい写真をSNSにアップする」「SNSに自撮りをアップする」という意見が。時代を感じます。失恋で自撮りといえば、佐藤江梨子が海老蔵にフラれてブログに泣き顔をアップしたことが一番に思い浮かぶ筆者とは、感覚がまったく違うのかもしれません。
さらなるジェネレーションギャップを感じたのは、自称「できることが多すぎる女優志望の新卒フリーランス」というマルチクリエーター、はましゃかさんのご意見。「LINEでご飯を作ってくれる人を募集する」「自分の家に女の子を住まわせる」等々。悲しんでいる姿はなるべく他人に見せず、一人で乗り越えるべしという昭和な考えからは、絶滅しつつあるようです。SNS普及で“人類総かまってちゃん”化しつつある今、フラれて自撮りくらいのことは、もしかしたら“かまってちゃん”にも入らない当たり前の行為なのでしょうか。勉強になります!