インタビュー【後編】

嵐だけじゃない……関ジャニ∞にも迫る「商品としての終わり」を、企業コンサルタントが解説

2019/02/17 19:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

 企業コンサルタント・大関暁夫氏に、ジャニーズの男性アイドルグループの「寿命」について考察してもらったインタビュー前編。後編では、SMAP解散騒動以降、タレントの不祥事や流出が続く事務所が、今後アイドルグループをどのように扱うべきか、話を聞いた。

(前編はこちら)

嵐の再始動は「同窓会」レベルが望ましい

――商品としてのアイドルグループの寿命は「15年」とのことですが、嵐は20周年を迎える年に活休を発表しました。

大関暁夫氏(以下、大関) 大野さんは、3年前くらいから「一度何事にも縛られず、自由な生活をしてみたい」という気持ちが出てきたそうですが、恐らく15年を過ぎた頃から、グループを続けていくことへの緊張感がゆるんだのではないでしょうか。それはごく自然なことだと思いますよ。今回のケースで良かったなと思うのは、「メンバーの仲が良い」という点。大野さんの申し出を、ほかのメンバーが突っぱねるのではなく、ちゃんと耳を傾けて受け入れた。もしかしたら、彼らも「嵐は一回終わりにした方がいい」と感じていたのかもしれませんね。先ほど、嵐の活休の発表を受けたとき、ジャニーズ事務所の商品戦略の甘さを感じたと述べましたが、嵐が結果的に21年目で活休することになったのは、“ギリギリ”のところで、いい形で着地できたと思います。大正解と言えるでしょう。もし活動を無理に引っ張っていたら、後味の悪い終わり方をすることになったかもしれません。

――嵐の仲の良さは会見でも表れていたと思います。


大関 5人グループだと、メンバーごとに人気や仕事量の差が生まれ、嫉妬や妬みが生まれやすくなるもの。人間関係がうまくいっていないと、事務所を通じて「なぜアイツにばかり仕事が」などと文句を言うメンバーも出てくるでしょう。人数が増えれば増えるほど、グループというのは運営が難しくなるものなんですが、嵐にはそういったことがなかったように思いますね。

――お話を聞いていると、嵐が活休から明けた後、今と同じような活動をもう一度行うのは、やめた方がいいのではないかとも思えます。

大関 「同窓会」のような形で単発のコンサートを開催し、昔を懐かしむというのが限界だと思います。今と同じような……例えば、「グループのレギュラー番組を週に2本持つ」「年に何枚もCDリリースをして音楽番組に多数出演する」といった形に戻ることはないでしょう。事務所としても、やらせてはいけないことだと思います。一般的にも、一度ライフサイクルを終えた商品が、復刻版として再登場することはあれど、それがまたメインの商品に戻るのはあり得ません。

――嵐の後にデビューした関ジャニ∞が、今年ちょうど15周年になります。

大関 昨年、渋谷すばるさんが事務所を退所した一件も、グループとしてのピークアウトを迎えつつあることの現われだったのでは。事務所が、関ジャニ∞に、エンディングを用意してあげる時期が来たのだと思います。村上信五さんが、12年にマツコ・デラックスさんと一緒に『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)を始めた頃は、まだ“アイドルの延長線上”でMCをしていたように見えましたが、今はそれとは別の次元でMCの仕事をしている気がします。個のタレントとしての自我を感じ始めているのではないでしょうか。


――昨年15周年を迎えたNEWSも、小山慶一郎さんと加藤シゲアキさんの未成年飲酒同席騒動が明るみになり、それぞれ活動自粛と厳重注意を受けたほか、手越祐也さんもスキャンダルが続出するなど、問題が次から次へと浮上しました。

大関 「花形」段階でのピークの高さによって、寿命が短くなったり長くなったりするのですが、ピークが低いと、グループの空中分解や問題が早い段階から目に見えて起こるというのはあるかもしれませんね。

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