カルチャー
業界の裏側に迫る

ディズニー裁判、お化け屋敷ブームの弊害……2018年「テーマパーク業界」4大トピック

2018/12/30 19:00

東京ディズニーリゾート公式サイトより

 ディズニーランドのキャラクター出演者がオリエンタルランドを提訴するという異例の出来事が起こった。原告は2人の女性出演者で、Aさん(29歳)は慢性疲労によるケガ「胸郭出口症候群」を発症し、労働組合「オリエンタルランド・ユニオン」(東京ディズニーリゾートで働く非正規雇用の従業員を対象にした労働組合、14年結成)の支援を得て、会社と交渉し、過労性労働災害を認定された。一方のBさん(38歳)は職場の上司や先輩から長年にわたり、いじめ、パワハラを受けてきたという。2人は、過重労働やパワハラで心身に苦痛を受けたとして、計約755万円の損害賠償を求め、裁判に踏み切ったのだ。

 この裁判には、キー局全局が取材に訪れ、各社が一斉に報じたが、あるメディアが、ほかのテーマパークに着ぐるみ労働について取材するも「着ぐるみの中に人は入っていない」という体で営業しているためか、取材拒否ばかりだったそうだ。なお、ディズニーのキャラクター衣装は、会社側は「10キロくらいの重さ」と説明しているというが、実際はアイスノンや給水袋を合わせて25~30キロになるものもあるのではないかとされている。

 以前、ヤマグチ氏が、自身プロデュースのお化け屋敷の“キャラクター衣装”について、「弊社では、暗闇で安全に動けるように、例えば金属に見え重厚感のある外観でも、実際は軽量に作っています。また発汗性の高い素材を選定し、顔のマスクは頭部を全部覆わず、顔の前面部分だけにするなど工夫していますね。全部覆うと、汗がフェイスラインを伝わってきて、あごに溜まり大変なんですよ。私自身の出演者経験を生かしながら、出演者の苦労をなくそうと思っています」と言っていた。つまり、ヤマグチ氏は出演者経験があるのでその労働実態がわかるわけだ。しかし、オリエンタルランドでは、そういった経験のない社員が出演者を管理しているようで、そのため思いやり、配慮などが欠けた対応になってしまうのではないだろうか。

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