「ハートマン軍曹」や『ウォーキング・デッド』のハーシェル、ブッシュ夫妻も……2018年に亡くなったセレブ

■ジョン・スチューヤ

1984年3月27日～2018年1月1日（33歳没）

　人気SFテレビドラマシリーズ『スタートレック』で、クリンゴン人と地球人の混血児アレキサンダー・ロジェンコの子ども時代を演じた。同キャラクターは以後、複数の役者によって演じられることになるが、ジョンは最初に演じた子役として知られている。成人してからも役者、バンド「P.R.O.B.L.E.M.S.」で活動するミュージシャンとして活躍し、レストラン経営にも手を広げていた。頭部に銃創があり、死因は拳銃による自殺と断定された。

■ドロレス・オリオーダン

1971年9月6日～2018年1月15日（46歳没）

　1990年代に「リンガー」「ゾンビ」で世界的に大ヒットした、アイルランドのロックバンド「クランベリーズ」の女性ボーカリスト。滞在先のロンドンのホテルの部屋で、風呂場の浴槽に沈む形で亡くなっているのを発見された。司法解剖の結果、泥酔状態で風呂に入り溺れた、不慮の死だったと断定された。

■サイモン・シェルトン

1966年1月13日～2018年1月17日（52歳没）

　英BBC局が世界に誇る幼児番組『テレタビーズ』。4人のメインキャラクターの中で、一番背が高い紫色の男の子ティンキーウィンキーの“中の人”を演じたサイモン。もともとバレエ・ダンサーで振付師だった。1999年、ティンキーウィンキーがいつもバッグを持っていることから「ゲイ」だと騒がれ、「幼児向け番組にゲイのキャラクターを登場させるべきではない」と批判の声が上がった時、「テレタビーズは3歳児という設定なのに。そんな心配するのはバカげてる」と一蹴した。アルコール依存症を抱えていた彼は、泥酔し、凍死したと報じられている。

■マーク・サリング

1982年8月17日～2018年1月30日（35歳没）

　人気ドラマ『glee／グリー』のパック役で一躍人気者になったマーク。しかし、児童ポルノ所持容疑で逮捕・有罪になったことを悲観し、首吊り自殺した。同作で共演したマシュー・モリソンは、2013年に薬物の過剰摂取で急死したコリー・モンティスとマーク、自分の3ショットをインスタグラムに投稿し、深い悲しみを表現した。

■ジョン・マホーニー

1940年6月20日～2018年2月4日（77歳没）

　イングランドからアメリカに移住し、英語教師を経て40歳で役者へ転身した遅咲き俳優として知られるジョン。トニー賞を受賞するなど舞台俳優として高く評価された彼は、人気コメディ『そりゃないぜ!?フレイジャー』（1993～2004）でお茶の間の顔になり、大勢の人に愛された。晩年は脳腫瘍、肺がんなど闘病生活を送り、ホスピスケアを受けていた。

■レグ・E ・キャシー

1958年8月18日～2018年2月9日（59歳没）

　人気ドラマ『THE WIRE／ザ・ワイヤー』『OZ／オズ』『ハウス・オブ・カード 野望の階段』などに出演していた名脇役。プロデューサーたちは彼のことを「役者だけでなく、人間としても非常に素晴らしい男だった」と追悼した。肺がん闘病中で、最期は家族や友人に見守られ、ニューヨークの自宅で息を引き取ったと報じられた。

■エマ・チャンバース

1964年3月11日～2018年2月21日（53歳没）

　映画『ノッティングヒルの恋人』で、ヒュー・グラントが演じた主人公の風変わりな妹役を演じ、世界的な知名度のエマ。イギリスでは、人気ドラマ『The Vicar of Dibley』のアリス役でも愛されていた。死因は心臓発作だと伝えられている。

■ユベール・ド・ジバンシィ

1927年2月21日～2018年3月10日（91歳没）

　オードリー・ヘップバーン、ジャクリーン・ケネディら、一流のセレブや王族／貴族に愛されてきた高級ブランド、ジバンシィ。1988年に自身のメゾンをLVMHグループに売却したが、彼のシックで知的なデザインは今なお受け継がれ、今年5月に英ヘンリー王子と結婚したメーガン妃もウェディングドレスにジバンシィを選んだ。死因は老衰だとされており、睡眠中に息を引き取ったと伝えられている。

■クレイグ・マック

1970年5月10日～2018年3月12日（47歳没）

　ニューヨーク・クイーンズ出身のラッパーで、1994年にリリースした「Flava In Ya Ear」でブレイク。1990年代を代表するレコードレーベル「Bad Boy Records」所属のヒップホップ・アーティストとして愛された。晩年は体調不良が続き、自宅近くの病院で心不全により息を引き取ったと報じられた。

■スティーヴン・ホーキング　

1942年1月8日～2018年3月14日（76歳没）

　21歳で筋萎縮性側索硬化症（ALS）と診断されてからも貪欲に研究を続け、独創的な宇宙論を発表し続けてきた物理学者。理数系オタク映画やドラマで「カリスマ」としてあがめられるなど、ハリウッドでも彼をリスペクトする者は多かった。死因はALS。ケンブリッジの自宅で安らかな死を迎えたと報じられている。

■デュション・モニーク・ブラウン

1968年11月30日～2018年3月23日（49歳没）

　『プリズン・ブレイク』など、数多くのドラマに出演していた個性派女優。『シカゴ・ファイア』ではシカゴ消防局51分署大隊長の、貫禄ある秘書コニー役を演じていた。胸に痛みを訴えて病院で治療を受けた後、自宅療養していたが悪化。搬送先の病院で亡くなった。司法解剖の結果、死因は敗血症。高血圧性心疾患、肥満が引き金になったのではないかと報じられている。

■R・リー・アーメイ

1944年3月24日～2018年4月15日（74歳没）

　スティーブン・セガール主演の映画『沈黙』シリーズや、スタンリー・キューブリック監督の戦争映画『フルメタル・ジャケット』（1987）でハートマン軍曹役などで知られる。指導官まで務めた海兵隊上がりの名脇役。肺炎による合併症のため死去した。

■パメラ・ギドリー

1965年6月11日～2018年4月16日（52歳没）

　大ヒットドラマ『ツイン・ピークス』のスピンオフ作品『ツイン・ピークス／ローラ・パーマー最期の7日間』（1992）のテレサ役や『CSI：科学捜査班』の法医学者テリー・ミラー役を演じたことで知られる。死因は公表されていないが、自宅で亡くなったと報じられている。

■バーバラ・ブッシュ

1925年6月8日～2018年4月17日（92歳没）

　第41代米大統領ジョージ・H・W・ブッシュの妻で、第43歳大統領ジョージ・W・ブッシュ、第43代フロリダ州知事ジェブ・ブッシュの母という、政治家一族の女家長的存在だったバーバラ。貧困地区の子どもの教育向上や公民権推進を支持し、共和党員の妻・母でありながらも女性の中絶に自由を止めるリベラルな姿勢を貫いた「庶民の味方」でもあった。心臓が悪く、晩年には気管支炎などを発症。緩和ケアのみを行うと決断した直後の訃報だった。死因は慢性閉塞性肺疾患によるものだと伝えられている。

■アヴィーチー

1989年9月8日～2018年4月20日（28歳没）

　わずか19歳でトップDJに上り詰め、エレクトロニック・ダンス・ミュージック界になくてはならない存在となったアヴィーチー。しかし、パフォーマンスする場所がクラブやパーティー、フェスということもあって、浴びるほど酒を飲むように。21歳で急性膵炎になり、その後、胆のうと虫垂の切除手術も受けた。健康状態は芳しくなかったとのことで、2年前にライブ活動から引退。死因は自殺。割れた瓶で自傷したことによる失血死だったと報じられている。

■ヴァーン・トロイヤー

1969年1月1日～2018年4月21日（49歳没）

　身長81cmという、小人症のヴァーン。子どもの頃から憧れていたハリウッドで動物や子役のスタントマンを務め、映画『オースティン・パワーズ』(99)のミニ・ミー役で大ブレイクした。ちょっとした小人役者ブームを巻き起こした彼だが、アルコール依存症に苦しみ、リハビリ治療も受けたが、完治できなかった。司法解剖の結果、致死量を超えるアルコール濃度が体内から検出され、死因は自殺と断定された。

■マーゴット・キダー

1948年10月17日～2018年5月13日（69歳没）

　クリストファー・リーヴが主演を務めた映画『スーパーマン』シリーズで、恋人ロイス・レイン役を演じたマーゴット。知的な雰囲気で人気を得たが、長年重度の神経症に苦しめられ、双極性障害と診断された。精神的な苦痛を抱え続けていたのか、死因はアルコールと薬の過剰摂取で、自殺だと報じられている。

■ケイト・スペード

1962年12月24日～2018年6月5日（55歳没）

　カラフルで都会的なデザインのハンドバッグで、世界的な人気を誇っていたブランド「ケイト・スペード」の創設者。重度のうつや不安障害を抱え、治療を受けていた。しかし、娘宛てに「いつもあなたのことを愛しているわ。あなたのせいじゃない。お父さんに聞いて！」という意味深な遺書を残し、自宅寝室で首を吊り自殺してしまった。

■アンソニー・ボーディン

1956年6月25日～2018年6月8日（61歳没）

　アメリカで高い人気を誇り、ベストセラー本や看板料理番組まで持っていたシェフ。食に貪欲で、番組では世界中を巡り、未知なる料理を楽しんでいた。撮影のために滞在していたフランスのホテルで首を吊り、自殺。衝動的なものだとみられており、世間に大きな衝撃を与えた。

■ジャクソン・オデル

1997年7月2日～2018年6月8日（20歳没）

　若者に人気の青春ドラマ『アイ・カーリー』や、人気コメディ『モダン・ファミリー』に出演。2013～15年まで放送されていた『それいけ！ゴールドバーグ家』では、準レギュラーとして出演していた。シンガーソングライターとしても活動しており、これからの活躍に期待が集まっていたが、リハビリ施設で、ヘロインとコカインの過剰摂取により急死してしまった。

■XXXテンタシオン

1998年1月23日～2018年6月18日（20歳没）

　ストリーミングサービス「サウンドクラウド」で活動していたところを注目され、たちまち若者の間で絶大的な人気を誇るラッパーに。私生活では元恋人への暴行容疑で告訴されるなど、問題児として知られていた。マイアミで立ち寄ったバイクのディーラーを出た直後、金目当ての強盗に発砲され、命を落とした。

■リチャード・ベンジャミン・ハリソン

1941年3月4日～2018年6月25日（77歳没）

　ラスベガスの質店の名物店主で、リアリティ番組『アメリカお宝鑑定団ポーンスターズ』で一躍有名に。海軍上がりで鋭いまなざしを持つが、人の良さがにじみ出る笑顔で人気を集めた。死因はパーキンソン病だった。

■ジョセフ・ジャクソン

1928年7月26日～2018年6月27日（89歳没）

　マイケル、ジャネットら、ジャクソン・ファミリーの父親。1960年代にマイケルを含めた「ジャクソン5」の音楽プロデューサーとして彼らを世に送り出し、敏腕ぶりを発揮。しつけと称して子どもたちを暴行することが多く、マイケルは父親を嫌っていた。自身の浮気から妻キャサリンとは幾度もの離婚危機があったが乗り越え、添い遂げた。晩年、健康状態は芳しくなかったが、最終的には膵臓がんに侵され、亡くなった。

■アレサ・フランクリン

1942年3月25日～2018年8月16日（76歳没）

　1960年代にゴスペル要素の強い圧倒的な歌声でヒット曲を次々と飛ばし、“クイーン・オブ・ソウル”と呼ばれるようになった。87年に女性アーティストとして初めてロックの殿堂入りを果たしており、国民的歌手として全米から愛された。死因は膵臓がん。自宅で家族に見守られる中、息を引き取った。

■ジョン・マケイン

1936年8月29日～2018年8月25日（81歳没）

　ベトナム戦争で乗っていた戦闘機が撃墜され、数年間捕虜になった経験を持つ英雄で、米共和党の重鎮。2008年の大統領選挙で民主党のバラク・オバマと戦い、世界的に有名になった。晩年は同じ党員のトランプ大統領を批判。葬式にも招かないと公言していた。死因は脳腫瘍。緩和治療に移行すると発表した直後に息を引き取った。

■ヴァネッサ・マルケス

1968年12月21日～2018年8月30日（49歳没）

　ドラマ『ER緊急救命室』シーズン1～3でキュートな看護師ウェンディ役を演じ、一躍人気者になったヴァネッサ。しかし、その後キャリアは低迷。依存症患者を紹介するリアリティ番組で「買い物依存症、うつ病、強迫性障害だ」と告白したり、昨年は『ER』の撮影現場でセクハラと人種差別を受けたと激白したりして話題に。亡くなった当日は、精神が不安定になっているところを警察に通報され、拳銃らしきものを向けられたと判断した警察官に射殺された。その後、彼女が手にしたのはエアガンだったことが判明している。

■バート・レイノルズ

1936年2月11日～2018年9月6日（82歳没）

　1950年からハリウッドで大活躍した名俳優のバート。トラック運転手を主人公とした映画『トランザム7000』シリーズや、カルト的人気を誇る映画『ブギーナイツ』（1997）で人気を博した。生涯現役で、クエンティン・タランティーノ監督の新作『Once Upon a Time in Hollywood』にも出演する予定だった。死因は心不全。

■マック・ミラー

1992年1月19日～2018年9月7日（26歳没）

　若い世代の白人ラッパーとして絶大な人気を誇ったマック。亡くなる数カ月前には、2年あまり交際していた歌手アリアナ・グランデと破局。直後、DUI（アルコールまたは薬物の影響下での運転）の当て逃げ容疑で逮捕されるなどトラブルが続いた。自宅で遺体となって発見された彼の死因は、フェンタニルとオピオイド、およびアルコールの過剰摂取だと報じられている。

■ピーター・ドゥナット

1928年1月20日～2018年9月10日（90歳没）

　人気ドラマ『X-ファイル』でデイヴィッド・ドゥカヴニー演じるモルダーの父親役で、日本でも知られているピーター。舞台俳優としても有名で、映画やドラマの名脇役でおなじみだった。死因は糖尿病の合併症だと伝えられている。

■スコット・ウィルソン

1942年3月29日～2018年10月6日（76歳没）

　人気ゾンビドラマ『ウォーキング・デッド』シーズン2～4で重要なキャラクター、ハーシェル役を熱演。数多くのテレビドラマや映画で脇役ながら存在感のある演技で人気を得た。先日放送された『ウォーキング・デッド』の主役アンドリュー・リンカーンの降板エピソードでの再現シーンを撮影し終えたと発表した後、かねてより闘病していた白血病の症状が悪化し、死去した。

　『ウォーキング・デッド』のキャストたちも、一斉に追悼メッセージを投稿。シーズン4でハーシェルの首を切断したガバナー役のデビッド・モリシーも、固く握手を交わす写真をインスタグラムに投稿。「友よ、安らかに眠れ」と哀悼の意を述べた。

■スタン・リー

1922年12月28日～2018年11月12日（95歳没）

　『ファンタスティク・フォー』『スパイダーマン』『超人ハルク』など数多くの名作アメコミを世に送り出した出版社「マーベル・コミックス」の元発行責任者。1972年からマーベルの名誉職を務め、ほとんどの実写映画にカメオ出演。チャーミングで、誰からも愛される人物だった。晩年は肺炎が悪化し、死因は心不全および呼吸不全だと発表されている。

■キム・ポーター

1971年12月16日～2018年11月15日（46歳没）

　モデルや女優の肩書より、東海岸ヒップホップ界の大御所P・ディディ（ショーン・コムズ）の長年のパートナーとして有名。1994～07年までくっついたり離れたりを繰り返し、一男二女（双子）をもうけた。ディディは、キムが以前交際していた歌手アル・B・シュア！との間に産んだ長男とも養子縁組をし、キムと別れた後も家族として親しく交流してきた。彼女は、インフルエンザをこじらせ、肺炎を起こしたことが死因だとみられている。

■ベルナルド・ベルトルッチ

1941年3月16日～2018年11月26日（77歳没）

　イタリア映画界の巨匠で、過激なラブシーンで論議を醸した『ラストタンゴ・イン・パリ』（1972）や、坂本龍一らが出演した『ラストエンペラー』（87）など、数多くの名作を生み出した。長らく病を患っていたとのことだが、死因はまだ伝えられていない。

■ジョージ・H・W・ブッシュ

1924年6月12日～2018年11月30日（94歳没）

　第41代米大統領。在任期間は1期4年だけだったが、ソ連崩壊による冷戦終結など激動する時代の中、湾岸戦争開始を決断するなど、大きな仕事をこなした。パーキンソン病を患いながらも積極的に公の場に姿を見せ、90歳の誕生日にはスカイダイビングをして全米を驚かせた。死因はまだ発表されていないが、晩年は体調を崩しがちで、4月に73年連れ添ったバーバラ夫人を亡くした直後から、敗血症のため集中治療室で治療を受けていた。