「上の子の時と違う」「サービスが悪くなった」は勘違い！　保育園だって成長しています

　この時期、保育園はハロウィン一色！　若い先生の多い駒沢の森こども園では、10月に入った途端、気づけばお部屋にたくさんの飾りつけが飾ってありました。とってもかわいくて、まさに自分の子に通わせたい雰囲気です。正確には、我が子が「小さかったら通わせたい」ですね。5年生の娘はもう思春期なので、友だちと過ごす方が優先みたいです。

　実は今年の衣装が決まっていない私。ハリー・ポッターやミニヨンは今さら感があるし、アリスは鉄板過ぎだし、新調するには出遅れました。考えなければ！　毎年「手伝います」と、たくさんのお菓子を用意してくれる卒園生のママがいます。自身も仮装して配ってくれるので、本当に助かっています。

■別れが惜しい親もいれば、うんざりな問題親も

　経営する園は、卒園生の口コミが一番集客につながっていて、見学希望メールに「〇〇さんの紹介」などと、懐かしい卒園生の名前を見かけることが多いです。もちろん在園生の紹介、お散歩中に園や園児に遭遇して気に入る、この連載コラムを読んで共感した、なども多いです。そりゃあ、ご紹介が一番こちらも安心できますよ。

　ですが、問題親だった人の紹介で来た人はやんわり断ります。問題親だったことを本人は気づいていないかもしれませんけど。保育園に散々迷惑をかけた人って、なんとも思っていないことが多いです。特にオープンから1年以内に入園した人たちは、まだ子どもが少なかったせいか、こちらも融通が利いていて、変な時間に登園しても（現在は10時15分～11時30分は登園禁止時間）、先に公園に行ってしまった子どもたちと合流させるために私がその子を連れて行ったり、ベビーシッターに近い感覚でした。

　それから7年、保育園の状況は変わり、駒沢の森こども園以外にも衾の森こども園、ベビーシッター事業の森のナーサリー、保育プロデュース事業などなど、多少なりとも成長しています。そのあたりを理解していただけず、「上の子の時と違う」「サービスが悪くなった」と私に言ってくる人もいました。最初は手探りで始めた保育園なので、過剰サービスを通常サービスと思い込ませてしまった私も悪いのですが、スタッフからすると「困った親」なんです。事務スタッフが話すと「前と違う！　角川さん呼んで」と言う人も。現在は一定のルールがあり、仲のいい親であっても、最近入った親であっても、同じサービスです。もちろん人間なので、相性の合う親や、「〇〇ちゃんのお父さんは本当にいい人」とスタッフの口から聞くこともありますが……。

　私としては、小学校受験を目指す家庭とは、必然的に連絡が増えます。入試の質問など、保護者から質問のあった事項を私立小学校の先生に聞くこともあります。受験を前提としながら幼稚園ではなく、うちの保育園を選んでいただいたことに対する当たり前のサービスですし、合格者を出したいという思いも強いですね。

　今年も私立小に提出する「所見」を書きました。とある家庭に「〇〇小学校の説明会に行ってください」と強引にお勧めしたら、お母さんがとても気に入っていただき、受験することになったのです。1歳からうちの園に通っている子なので、心情的にも「なんとかしたい！」と思っています。その子は、駒沢の森こども園から受験対策の幼児教室まで森のナーサリーの送迎サービスを申し込んでいるのですが、3月末の卒園までの数か月間、私が自ら送迎をすることにしました。本来はほかのシッターが担当するのですが、お別れまで残された時間を少しでも一緒にいたいと思ったのです。お母さまとも今までたくさんお話をしました。本当にできた方で、お母様と別れるのがつらいと感じているスタッフも多いと思います。ここでは詳しく書けませんが、このお子様とお母様との出会いが私とスタッフを成長させましたね。

　去年まで、娘が通っている私立小学校では入試期間中はお休みだったのですが、今年から校舎が変わったため普通に登校日だと知って愕然としています。小1から毎年11月頭は２人で京都旅行だったのに！

角川慶子（かどかわ・けいこ）

1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの”鬼畜ライター”としても活躍。2011年9月に認可外保育園「駒沢の森こども園」、16年4月からは派遣ベビーシッター「森のナーサリー」、17年4月に認可外保育園「衾の森こども園」をオープンさせる。家庭では10歳の愛娘の子育てに奮闘中。