インタビュー

「心理学ではなく新興宗教」精神科医が、人気カウンセラー・心屋仁之助氏の「娘叩く母」肯定を斬る

2018/09/16 16:00
ninosuke0911
心屋仁之助 公式ブログより

 昨年3月まで、日本テレビ系で放送されていたバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー』。結婚、家族、健康、お金、仕事など、さまざまな悩みを持った芸能人が登場し、“クセ者相談員”たちがアドバイスをしていくという内容だが、その相談員の中でひときわ異彩を放っていたのが、心理カウンセラーの心屋仁之助氏だ。同番組で、「性格リフォームの匠」と呼ばれていた心屋氏は、ほかの相談員とは一線を画すアドバイスをすることで注目を集める存在だった。

 例えば、「結婚したいと思わない私は変なのか?」と悩むフリーアナウンサー・中田有紀に対し、「家族との距離が遠い女性は結婚したがらない傾向」「父親にもっとかまってほしかったと思っている」と指摘。中田に「お父さん大好き」という言葉を口にさせ、これまで押し殺してきた感情を認識するよう促すなど、一見突飛にも見えるカウンセリングは、視聴者の目に印象的に映ったのだろう。

 しかし、心屋氏はその後、テレビから姿を消し、すっかり「あの人はいま」となっているが、先日、公式ブログでのある発言が“炎上”する事態に。娘を叩いてしまい自己嫌悪に陥っていると悩む一般女性に対し、「キミの娘さん 叩かれるために生まれてきたのよ」とアドバイスをし、「虐待を助長する」と批判の渦が巻き起こったのだ。

 問題のブログを詳しく見ていくと、相談者の女性は「色々あって、娘とケンカして、ほっぺたに往復ビンタを3回もしてしまった…娘に、このままじゃママに包丁で刺される!とまで、言われました」と告白。「とりあえず、たたいたらあかんって言ってるママが叩いたらあかんやんなー、とアハッと笑いました。娘は私を許してくれました」というが、「ぢんさん、こわいです。わたし、こわいです」と本音を吐露している。

 それに対し心屋氏は、「キミの娘さん叩かれるために生まれてきたのよ だから、叩きたくもないキミを動かしたのよ」と回答。なんでも相談者の女性は、「叩く『役目』を負わされた」といい、娘が叩かれるために生まれてきた理由については、「それでも親を許すため それでも親が自分自信を許すためのトレーニングしにきたのよ。前世でできなかったからまたチャレンジしにきた」と説明している。


 この「叩かれるために生まれてきた」という心屋流のアドバイスには、かつてテレビに出ていた頃と同様の“突飛さ”を感じさせ、ネット上では「あり得ない」といった声が広がっているが、精神科医の目にはどのように映るのだろうか。開口一番「むちゃくちゃですね」と声を上げたのは、『被害者のふりをせずにはいられない人』(青春出版社)や『高学歴モンスター~一流大学卒の迷惑な人たち~』(小学館)などの著者である精神科医・片田珠美氏。かつて『ナイナイアンサー』で心屋氏と共演経験もあるという片田氏が、心屋氏のアドバイスを一刀両断してくれた。

高学歴モンスター: 一流大学卒の迷惑な人たち (小学館新書)