インタビュー

ダイソー100円サプリ「ギャバ」は「根拠なし」「薄めただけのもの」!? 専門家が大ヒットの裏を読む

2018/09/05 21:00

ダイソーのギャバは薄められたもの?

 では、柴田氏の目に、ダイソーのサプリ「ギャバ」はどう映ったのだろうか。「実際に、『死んだように眠れた』という人はいたのかもしれませんが、それは個人の感想であって、根拠はないですよね」という。

 また、同サプリのパッケージ表面には、1袋あたりの含有量として「ギャバ……500mg/ビール酵母……2000mg/カルシウム……352mg/亜鉛……10mg/セレン……40μg/ビタミンB2……24mg」とあり、「1日2粒目安/約20日分」と説明されている。

「ダイソーのギャバ500mgは“1袋分”の含有量であり、1日2粒目安/約20日分とあるので、1日におけるギャバの量は25mg。これは決して多くありません。事実、DHCの『1日1粒目安/20日分』のギャバサプリは、1日におけるギャバの量が200mgですからね。面白いのは、ギャバ1mgあたりの値段。ダイソーは1袋100円でギャバが500mg、DHCは1袋約600円程度でギャバが4000mgなので、1mgあたりの値段ではDHCの方が安いんです」

 ダイソーのギャバが人気を博した背景には、「1袋100円」というお得さがあったはず。ほかのサプリメーカーのものに比べて、ギャバ1mgの値段はやや割高とあっては、ガッカリする人も少なくないだろう。

「ダイソーのギャバを1日8粒飲めば、DHCの1日分を摂れる計算になります。つまりダイソーのギャバは、一般のサプリメーカーのギャバを薄めただけと言えますね。ダイソーは100円ショップなので、サプリメントの工場を持っていないと考えられ、恐らく原料の調達からパッケージングまで、全て外注しているのではないでしょうか。となると、外注先の製造コストを下げることはできないので、単純に“薄めたもの”を販売しているのでは」


 ただ、最近はサプリの誇大広告が問題視され、サプリのパッケージに効果/効能を記載するのもNGとされている。それだけに、「ダイソーはパッケージで『睡眠に効果あり』などと謳っていないし、含有量を偽っているわけでもない。何も悪いことはしていないんです。パッと見、ギャバ1粒の含有量を500mgと間違えてしまうパッケージも、“買ってもらうための工夫”といえます。消費者としてダイソーのサプリを購入する際は、よくパッケージを見ること、ほかのメーカーのものと比べることを心がけるといいのではないでしょうか」という。

 ちなみに、100円という安さから、「体に害のあるものが入っているのではないか?」と不安になる人もいるだろうが、「そのリスクは低いと思います」と、柴田氏は見解を述べる。

「ダイソーは全国に何百店舗も展開する大企業。たった1店舗でも、『ダイソーのギャバが原因で体に不調が出た』という報告が上がると、たちまちそのほかの数百店舗が、悲鳴を上げることとなるので、体に害のありそうなものは、入れていないと思われます。それに、先ほども言った通り、“薄めたサプリ”を販売している可能性が高いので、『効果が低い分、害もない』と考えられますね」

DHC ギャバ(GABA) 20日分 20粒