天理教、22万人の信者が集う「おぢばがえり」に潜入! 「祭りじゃない祭り」の目的は
アトラクションは、教団敷地や天理大学などの関連施設に15箇所ほど設置されており、何時にどこに行くかなど、義弟があらかじめスケジューリングしていたようです。で、ひとつめのアトラクションまで歩くのですが、熱中症でばたばたと死人が出た今夏ですよ。暑すぎて温泉みたいになるからっつって学校プール中止が続出した今夏ですよ。広大すぎて遮るものがない炎天下の道を、ひたすら歩き続けるわけですよ。これ、クーラー無設置小学校を総叩きしたツイッター民が見たら、憤怒からの失禁するレベルですよ。
じりじりと照りつける太陽光線が、全身を焼き、水分が蒸発してゆく。あつい……あつ……すぎ……る……。
そのときです。
「おーちゃーおちゃおちゃおちゃおちゃおちゃHEY!♪」
!?
砂漠で幻のオアシスが現れたごとく、幻聴でしょうか。妙な歌声が聞こえてきます。
「おーちゃーおちゃおちゃおちゃおちゃおちゃHEY!♪」
「おーちゃーおちゃおちゃおちゃおちゃおちゃHEY!♪」
「おーちゃーおちゃおちゃおちゃどうぞ!♪」
「おーちゃーおちゃおちゃおちゃどうぞ!♪」
!?
幻聴じゃなかった! 道の途中に設置された「お茶所」と書かれたテントの下で、中学生くらいの少年少女たちが旅人にお茶を振る舞っている!
群がる人々にキンキンに冷えた麦茶をヤカンからコップに注ぎ、手渡し……を、延々と繰り返しています。楽しげに歌いながら。
なんだ、これは。
「“少年ひのきしん隊”よ。えらいよねえ」
義母が言います。ひのきしん=ボランティア、で、この子たちは朝から晩までお茶を振る舞い続けるといいます。お茶所は至れり尽くせりなほどたくさん設置されており、どこも中学生たちがしっかりと役目を果たしているのです。中学生なんて、夏休みにボランティアなぞクソくらえで1日中スーファミかゲームボーイをやっていたいお年頃じゃないんですか? わたしはそうでしたよ。カルチャーショックに頭をどつかれつつ、やっとのことで目的地に到着します。