小山健『生理ちゃん』インタビュー

男性目線で”生理”を描いたワケを、漫画家・小山健に聞く

2018/08/05 17:30
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小山健『生理ちゃん』(KADOKAWA)より

 月に1回やってくる、女性にとって煩わしくも身近な存在「生理」。そんな、デリケートな現象を擬人化し、コミカルに描きあげたマンガが『生理ちゃん』(KADOKAWA)だ。

 女性のもとを突然に訪れては、生理パンチをドカッと食らわす生理ちゃん。腹痛・眠気・むくみなどあらゆる不調を引起こす一方で、女性の悩みや本音を聞いて相談に乗ってくれる優しい一面も……。生理ちゃんとさまざまなタイプの女性を巡る人間模様が展開される同作。生理のリアルな描写や女性に寄り添った内容が共感を呼び、掲載されたWebメディア「オモコロ」では累計800万PV(6月末時点)を記録。書籍化となった。

 コミックス発売後、反響はさらに大きく広がり「この本は、異性に関心が出始めた人々全てが読むべき本だと思う」「思慮深く、人の心の機微を見ている」「”症状”だけでなく”気持ち”がわかるようになる本」「男の勝手な思い込みを物の見事にぶっ壊してくれる」と男女問わず称賛の声が上がった。

 一方で、公に語ることがタブーとされるテーマだけに「とても『巧い』と思うけど不快さが拭えない部分がある」などと、一部女性から戸惑いの声が上がっている。

 世間にセンセーションを巻き起こす『生理ちゃん』。タブーに一石を投じた、その執筆のいきさつから周りの反響まで、著者の小山健さんに作品についてうかがった。


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(C)生理ちゃん/小山健/KADOKAWA

――まず、生理ちゃんを執筆する前の生理のイメージを教えてください。

小山健(以下、小山) 血がでて痛みやしんどさがあることは知ってたのでなんとなく大変なんだろうなと思っていました。

――そんな、大変かつ女性の現象である生理を題材にされたのはどのような経緯でしょうか? また、執筆されるにあたり抵抗や反応の怖さはなかったですか?

小山 面白がってはいけないんですが、正直に言うと面白くなりそうだなと思ったからです。玄関を開けて生理ちゃんが入ってくるシーンが最初に浮かんで、描きたいなと思いました。男のお前になにがわかるんだと言われて当然な題材なので抵抗のある方が出てきてしまうことは仕方がないかな、と思ってました。


――好奇心から突き動かされたワケですね。「面白がってはいけない」というのは、どのような部分でそう思われたのでしょうか?

小山 話題にするときに誰もが慎重を要するテーマで、なおかつ自分が当事者ではないからです。「お笑い」と「笑いものにされる」ということは人それぞれでごっちゃになってしまうことがあるので、笑い者にされてると感じる人も中にはいるかもしれないと思います。

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