“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第422回】

小林麻耶「電撃婚」で明らかになった梨園の怖さ――“立役者”だった海老蔵ママの思惑

2018/07/31 21:00
kobayashimaya_jishin1807
「女性自身」8月14日号(光文社)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 杉田水脈の驚くべき「LGBT生産性」発言だが、この問題を取り上げるマスコミに勢いがない。というか積極的に取り上げていない。2001年、当時の東京都知事・石原慎太郎の「ババア発言」には、もっとマスコミは騒いでいた。この間、権力に対する忖度がどれほど進んだのか。一強の安倍政権のもと、差別に対して鈍感になってしまったのか――。

第422回(7/19〜7/24発売号より)
1位「小林麻耶 海老蔵母が『婚活サポート』大奔走…『頑張らなくていいから』彼のプロポーズに号泣」(「女性自身」8月14日号)
2位「ディズニーランド 着ぐるみの『中の人』残酷物語」(「女性セブン」8月 9日号)
3位「上沼恵美子 『夫が家を出て行った』」(「女性セブン」8月9日号)

 こんな怖い背景が存在していたのか。7月27日、小林麻耶が電撃的とも思われる結婚を発表した。お相手は4歳年下の一般男性。妹・麻央の逝去から1年、多くの人がびっくりしたし、そして心から祝福した、と思う。しかし――。

 今週の「女性自身」によると、この結婚、海老蔵の母が大きく関わっていたというのだ。昨年12月から今年2月までに数回のお見合いをセッティング、何人かの男性を紹介していた。こうした“秘話”について、記事には麻央の死後、精神的に不安定で自分の幸せを考えられないという麻耶を、海老蔵ママが支え、有望な青年を紹介したという美談仕立てになっているが、しかし、そんな言葉通りにはなかなか受け取れない。なにしろ、海老蔵ママこと堀越希実子さんは第12代目團十郎の妻であり、息子の海老蔵を紆余曲折はありながらも立派な歌舞伎役者に育て上げた。そして麻央が闘病中も家族を、さらに名門・成田屋を支え続けてきた女性だ。さらに白血病に侵された夫を守り、巨額な借金にも毅然と対処してきた家族の支柱であり、女傑といってもいい。


 そんな希実子さんだが、息子が結婚し長女も授かった。その後、團十郎は逝去したものの、勸玄くんという跡取りも生まれた。これで一安心と思いきや、嫁の麻央が幼い子どもたちを残し亡くなってしまった。しかも嫁の死後、あろうことか世間は妹の闘病を支え、子どもたちの面倒を必死でみてきた麻耶と海老蔵との仲を面白おかしくウワサした。

 このままではいけない。息子のためにも孫の将来のためにも、なにより成田屋、歌舞伎界のためにも。その打開策はひとつ。是が非でも、そして一刻でも早く麻耶に嫁に行ってもらいたい。そうでなければ息子との関係を取りざたされ続けるだろうし、後援会など外野もうるさい。なにより、子どもたちが慕っている麻耶が、このまま結婚もせずにそばにいると、海老蔵の再婚の妨げになる。今後の再婚相手と子どもたちの関係にも影響する。

 ということで、お見合いを猛プッシュ。記事によると、麻耶に紹介したのは“とっておきの男性”であり「成田屋の後援者の子息が多く、どの男性もお金持ちで将来が有望な好青年」らしい。

 怖い。梨園、しがらみだらけの歌舞伎界が。かつて香川照之と父親の二代目市川猿翁をめぐって恐怖のお家騒動(?)が巻き起こったが、これは第二の香川事件ではないのか。真夏のホラー劇。

 でも、ここまでしないとコトは収拾しなかったかもしれない。しばらくは丸く収まりそうだし。麻耶もそう思ったから結婚に踏み切ったのだろう。そして次は海老蔵!? ともあれ怖いけど、さすが海老蔵ママ。その剛腕、やり手ぶりには脱帽だ。


まや道 向かい風でも笑顔の理由