アカチャンホンポ「お母さんを応援」パッケージ変更――「クレーマー批判」はなぜ起こる?
「akachan honpoは全国のお母さんを応援します」
マタニティ、ベビー、キッズの専門店「アカチャンホンポ」を展開する株式会社 赤ちゃん本舗が、自社ブランドアイテム「水99%Super 新生児からのおしりふき」に記載していた上記のキャッチコピーを削除し、パッケージを変更することを決めた。
これは、現在子育て中の女性が、「オムツを替えるのは『お母さん』だけですか???」といった疑問から、署名サイト「Change.org」にて「おしりふきのパッケージを『お母さんを応援』から『子育てする全てのひとを応援』に変えて欲しい!」というキャンペーンを実施し、5,000人以上の署名を集めたことによって実現したもの。共働き家庭が増えたことによって、「育児=母親だけがするもの」といった風潮は徐々に薄まりつつあり、また父母以外の養育者が赤ちゃんのお世話をするケースもある中、「お母さん」に限定して応援するのは、確かに違和感を覚える人もいるはず。赤ちゃん本舗側も、その声を真摯に受け止めた結果、変更を決めたといえるだろう。
しかし、このニュースが世間に広まると、一部ネット上では反発の声が飛び交うことに。「パッケージを変えたところで何かが変わるとは思えない」「応援されているのに何が気に食わないの?」「ただのクレーマー」「イチャモンじゃないか」など、署名活動に立ち上がった女性への批判的な意見が、各ネット掲示板のコメント欄を埋めるといった様子が見られ、“女性ユーザー”が集う掲示板でも同様の現象が起こっていた。
果たして、署名活動を行った人々は本当にクレーマーなのか? 『稼ぐ妻・育てる夫―夫婦の戦略的役割交換』(勁草書房)『ふたりの子育てルール』(PHP研究所)の著者で、女性のキャリアやダイバーシティ、男性の家庭参加などをテーマに取材・執筆を行うジャーナリスト・治部れんげ氏に、話を聞いた。