サイゾーウーマンカルチャー社会『幸色のワンルーム』放送中止に批判の嵐……弁護士・太田啓子氏が「誘拐肯定」の意味を語る カルチャー インタビュー 『幸色のワンルーム』放送中止に批判の嵐……弁護士・太田啓子氏が「誘拐肯定」の意味を語る 2018/06/23 20:45 インタビュー社会 『幸色のワンルーム』(朝日放送)公式サイトより 「表現の自由はどうなるんだ」「現実とフィクションの違いもわからないなんて」「じゃあサスペンスドラマも全部放送中止だね」――テレビ朝日が6月18日、7月開始予定の連続ドラマ『幸色のワンルーム』の放送を取りやめることを発表した途端、ネット上には、こんな激しい言葉が飛び交うこことなった。 同ドラマの原作は、もともと2016年9月より『世の中いろんな人がいると言う話』というタイトルでTwitterに投稿された作品で、翌17年2月からは漫画サイト「ガンガンpixivコミック」にて連載が始まり、コミックスは重版含め累計75万部を突破している。 両親から虐待、同級生からイジメ、教師から性的暴行を受け、行き場を失った14歳の少女が、ある日、マスク姿の“お兄さん”に誘拐され、“幸”という名をもらい、同居生活を送る――というストーリーだ。原作漫画が公開されているサイトでは、「その日、少女は誘拐された。しかし、それは少女にとって一縷の希望にかけた生活の始まりだった。 少女は誘拐犯に結婚を誓い、誘拐犯は少女にたくさんの“幸せ”を捧ぐ。誘拐犯と被害者の関係なのに―――どうしてこんなに温かいの?」といったあらすじ紹介が確認できる。 今回、テレビ朝日が放送を取りやめた背景には、同作が、「実際の誘拐事件をモチーフにしているのではないか」「被害者を傷つける」「誘拐を肯定している」などと批判されたことが関係するとみられる。ネット上では以前から、埼玉県朝霞市で誘拐された少女が2年の監禁生活を経て、16年3月に保護された事件を想起させるといわれ、原作のはくり氏は事件と作品は無関係だとしつつも、物議を醸していたのだ。 しかし、ひとたび放送取りやめのニュースが流れると、一転してネット上には異論が噴出することに。あくまでフィクションの作品であり、これまでも犯罪を扱った作品は多数あるにもかかわらず、なぜ『幸色のワンルーム』だけ……といった論調で、『ルパン三世』『名探偵コナン』といったアニメ作品、また実際に起こった犯罪をモチーフにしたドラマや映画作品などの例を出し、「これらも放送してはいけないことになる」と声を上げたのだ。 そこで今回、『幸色のワンルーム』の実写ドラマ化が発表された際、Twitter上で、“反対”を表明した弁護士・太田啓子氏に取材を行った。なぜ、同作を実写ドラマ化すべきではないのか、「あくまでフィクション」と主張している人が見落としている“視点”を詳しく解説してもらった。 次のページ なぜ殺人はOKで、誘拐はNGなのか 1234次のページ 関連記事 「壇蜜の宮城PR動画」「サントリー頂」他、“性差別”CMの問題は「演出ではなく構造」? “男性差別CM”の炎上騒動はなぜ起こったのか? 「ALFACE」「保険のビュッフェ」の問題点性犯罪被害に遭っても証拠が残りにくい? 卑劣な「デートレイプドラッグ」の実態 【ジャニーズ情報専用】Twitterアカウント「J担しぃちゃん」オープン! Amazon 新潟少女監禁事件 密室の3364日 (朝日文庫) ネットでの議論がまったく噛み合っていないのが大問題