今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

嵐・二宮和也と松本潤の「被災地訪問」から透けて見えるジャニーズの思惑

2018/07/27 21:00

1701matujun1――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎前フリ?
 西日本豪雨の被災地を訪れた嵐の二宮和也と松本潤。CM出演中の企業の商品を差し入れて。うーん。斎藤工のガチボランティアを知ってしまうと、「5000万円を役所で手渡し」「避難所を訪れキャーキャー」「『今後も皆さんとともに』的な常套句」という、一連のフォーマットにのっとった形式が、どうにも旧態依然な印象。災害現地に嵐を派遣し、一斉に報じさせたという部分に、「これからはボランティア方面でも先鞭をつけたい」というジャニーズの思惑が匂い立つ。あー、今年の『24時間テレビ』(日本テレビ系)の「ジャニーズinボランティア」っぷりが今から思いやられる。見ないけど。

◎ケツ比べ
 東京ガスのCMキャラクター、パッチョ。大手企業にしてはかなり異例な「ケツ強調」というキャラで、ちょっとシュールなアニメ映像のCMを毎回楽しみにしていたのだが。新作ではなぜか急に、歌のおねえさん風の深田恭子メインの実写映像になってしまった。パッチョは後ろで着ぐるみで参加。まあ、着ぐるみにしては精一杯臀部を強調したデザインで「プリケツ」はキープしていたが。だったら深田恭子にもケツ出してほしかったなぁ。できれば、この前インスタで尻丸出しにしてたローラ(パッチョに一番近いケツ)でやってほしかったなぁ。でもまあ、現実的には丸山桂里奈か。「ケツ出します!」で即有言実行。セクシーというより、アメリカ映画に出てくる「オレのケツでもなめな!」のニュアンスに近いケツ出しのベクトルが、パッチョのそれとよく似てる。

◎復興祈願
  オウム真理教の残りの死刑囚、全員執行。麻原彰晃の時に比べて、大したニュースにもならず、平成は遠くなりにけり。この件について、アレフで生活経験のあった元信者に取材したという知り合いに話を聞いたのだが。先日、麻原の死刑直後に西日本豪雨被害が起こったのを、信者たちは「(麻原の)怒りに触れた」と受け止めていたそうな。「死刑のあと『何かすべきではないか』という空気は、豪雨被害によってなくなりました」とも。何かって何だよ。「今回も死刑執行の直後に台風が来てますから、被害が出たら『ああ、また怒りが』となるでしょう。まあ、被害が出ても出なくても、昔に比べて組織にパワーがなくなっているので、心配されるようなことは起こさないと思います」。なぜそう思うのか、と聞くと「厳しい修行内容について来られる人が激減した。若者はつらいとすぐ離脱するので、なかなか定着しない」。……カルト宗教までブラック是正の波。どこも本当に大変だ。「日本ではテロを起こさなくとも、甚大な災害がしょっちゅうありますし」。カルトでさえも手抜きする、災害大国・ニッポン。週末、皆さん気をつけましょう。

今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。


最終更新:2019/05/21 20:25