サイゾーウーマンカルチャー 「天理教って、いいところ」…? カルチャー [短期連載]天理教のツマ、「宗教合宿」2泊3日潜入記【第3話】 「天理教って、いいところ」……? 喜捨精神、奉仕の心、“宗教あるある”に翻弄された私 2018/07/11 21:00 カルチャー宗教潜入天理教 「いやあ、天理って、いいところですね」 部屋に戻ると、さあここからが戦争です。同部屋のA子さんが、部屋について一息もつかず、全速力で風呂の準備を開始。 「ヤバイヤバイヤバイ!! マジで今行かないと風呂ヤバイことになるから! オラおめえも早く準備しろよ!」 肝っ玉母ちゃん然とした様子で、子どもを連れ全力疾走。え、そ、そうなの? B子さんはゆったりしているけど? Aさんに流されたわたしも風呂場へ急ぐと、確かに早く来た方がよかったようでした。広々ゆったりと入っていると、あとからあとから子持ち女性がなだれ込み、洗い場は大渋滞していましたから。 その後、夕食をとりに食堂へ。やはりご飯に質素なおかずに、お味噌汁を配膳してもらい、子どもはたっぷりのふりかけが使えることに喜んでいました。 食事も終え一息ついていると、ふと気づくことがあります。食事配膳や、交通整備、宿舎の受付や、風呂場で手伝い係は、同じように黒いはっぴを来たおばさんたちがやっているのですが、 「あの人たちは、天理で働いている人たちなんですか?」 Aさんにそう聞くと、なんてことのない顔をして、教えてくれました。 「全員、ボランティアだよ。『ひのきしん』っていうんだけど、お金なんて出なく、ただただお手伝いに来る人たち」 そういえば、夫からも聞いたことがあります。義母がこうしたイベントごとに必ず天理教本部に来て手伝うことや、小さい頃から近所の老人ホームの掃除などに夫を連れて行っていたことなど。 おばさんたちは、それが当然かのように、いやむしろ喜びであるように、嫌な顔ひとつせずに、わたしたちに接します。 そうした雰囲気は、おばさんたちだけではありません。たとえば象徴的なのはエレベーター。都会の駅のエレベーターなんか乗ってみてくださいよ。誰も「開」なんか押してくれないし、ひどいときには乗る目前で「閉」を押してくる人もいる。こちらが「開」を押しても、誰もお礼なんて言わないのが当たり前じゃないですか。 でもね、ここは違う。「開」を押すのは当たり前。なんならみな「開」を押したくて押したくてたまらなくてドア付近に立とうとして、「開」の奪い合い状態。降りるときには「開」を押している人に、心を込めてありがとう。 閉まるギリギリで乗り込んでも、誰も舌打ちしない。 なにここ、まるで天国じゃないですか……! 「いやあ、天理って、いいところですね」なんてラインを夫に送りましたが、まだ天理の表層しか見ていなかったことを、姉さん、このときは知る由もなく――。 (文・有屋町はる) (隔週水曜日・次回は7月25日更新予定) 前のページ123 最終更新:2018/07/11 21:00 Amazon [図解]池上彰の 世界の宗教が面白いほどわかる本 (中経の文庫) 何かマヤカシっぽさを感じてゾクゾク 関連記事 夫の実家は「天理教」!? 結婚5年目、奈良県天理市の「後継者合宿」に子連れ潜入してみたらアイドルや宗教は家族の代わりになるか? 無縁の共同体の可能性――佐々木俊尚×白河桃子対談創価学会員の元タレントが語る、清水富美加「幸福の科学出家騒動」に見る“宗教と芸能界”清水富美加「バカ弟子」、星野源「ありゃりゃりゃ」……幸福の科学“守護霊”の語る言葉創価学会員の元タレントが語る、清水富美加「幸福の科学出家騒動」に見る“宗教と芸能界” 次の記事 Kis-My-Ft2、新曲「LOVE」PR動画に酷評相次ぐ……「千賀イジりがひどすぎ」とファン失望 >