インタビュー

井上公造氏に聞く「自由に恋愛したいなら、芸能人辞めるべき」という“名言”に込めた思い

2018/06/30 17:00

バレないために、エネルギーとお金をかけなければいけない

 井上氏いわく、「自由に恋愛したいのなら、芸能人を辞めるべきです」といった旨の発言は、「以前からテレビでも言っている」とのこと。「755」では、広く“芸能人”としたものの、「僕はどちらかと言えば、“アイドル”を対象にして言っています」と語る。

「当然のことながら、『アイドルは人間』であり、僕は『人間を辞めろ』とは言っていませんし、また基本的人権の観点から『恋愛は自由にしていい』とも思っています。けれども芸能人は“その人本人が商品”なわけで、アイドルは特にそのウエイトが大きいんです。ファンがアイドルのコンサートや舞台に行ったり、CDを買ったりするのには、『あなたのことが大好き』『付き合いたい』『あわよくば結婚したい』といった“疑似恋愛”の要素が含まれています。また、ジャニーズであればJr.時代から、AKBであれば研修生の頃から応援し続けることで“アイドルを育てる”という要素もありますよね」

 その人の“演技”や“音楽”が好きである以前に、その人自身のことが好き――確かに、アイドルファンはそういった側面が大きいだろう。だからこそ、ファンは熱愛報道に失望し、また一部の事務所が人気低下を避けるために“恋愛禁止”をルール化するわけだが、井上氏は、「それでもアイドルが人を好きになってしまうことはある」とあらためて強調した上で、こう持論を述べる。

「アイドルが恋愛をするというのは、“ルール上やってはいけないこと”であり、それをやるのであれば、バレないよう、エネルギーとお金を注がなくてはいけません。例えば、アイドルが恋人とホテルに泊まるとします。一緒にホテルを訪れ、同じ部屋に泊まるのは、もうその時点でダメだと思います。別々にチェックイン・チェックアウトする、コネクティングルーム(それぞれ独立した部屋だが、必要に応じて続き部屋になる部屋。廊下に出なくても行き来できるのが特徴)を使用するといった努力が必要。部屋の中までは、撮影されませんからね。コネクティングルームは、富裕層の人がお手伝いさんを連れて宿泊する際などに使われる部屋だけに、宿泊料も高額なのですが、バレないためには、こういったところにお金を遣わなくてはいけないのです」

 また外食をする際は「入り口が複数あるお店を選び、時間をズラして入店・退店する」、同棲する際も「同じマンションだが別々の部屋を借りる」などのバレない工夫をする、すなわち企業努力をしなければいけないという井上氏。つまり、「完璧に“言い逃れがきく”ようにしなければいけません。でも、みんなそういった努力を怠っているから、すぐバレてしまう。しかもバレた上でさらに嘘をつくから、二重三重に大変なことになるんです。アイドルがどういったものかを知ってアイドルになったんだったら、自分の商品価値を下げることをする、また『そうは言っても……』などと反論するのは、やはりいけないことだと思います」。


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