サイゾーウーマンカルチャーインタビュー「調教されて風俗」は意外と多い? カルチャー 『リアル風俗嬢日記』著者インタビュー・前編 「調教されて風俗入り」は意外と多い? “家畜部屋”で暮らした女性の“リアル”な過去とは 2018/05/12 19:00 カルチャーインタビュー風俗嬢 ご主人様は「いいパソコン」を買っていた 知らずに“奴隷ヒエラルキー”の最底辺に位置付けられてしまったΩ子さん。毎日働いたが指名は増えず、比例してご主人様にむげに扱われ、嫉妬ゆえほかの女性とも衝突し、精神はみるみる疲弊してゆくのだった。 ――彼の風俗勤務命令の目的は、なんだったのでしょうか? みなさんの売り上げが目的ですか? それとも「人間を思い通り動かす」ことの一環だったのでしょうか。 Ω SMプレイの一環としては、珍しくないようです。私の店にも同じような境遇の子がいましたし。でも、ご主人様はいいパソコンに買い換えたりしていたので、金銭搾取目的もあったのかもしれませんが(笑)。奴隷のなかの1人がタフで、朝から夕方までヘルスで働き、夕方から夜まではソープで働いていました。休みは4人とも生理中と週1回。売り上げはすべて渡し、そこから生活費だけをもらっていました。でもそれも、「これにいくら使いました」という申告制でしたね。 ――「同じような境遇の子」について、作中では、暴力を振るわれていたような描写もあります。暴力って、普通に嫌というか、警察沙汰ではないかと思うのですが。 Ω ですよね。でも、調教やマインドコントロールされているときは、痛みを感じなくなっていました。今でも覚えているのが、私が落ち込んでいるのを態度に出したら、「被害者ぶるのか」と、ご主人様の怒りを買ったときのことです。つらい言葉で責められ続け、張り手をされました。そういったことが毎日続いていたので病んでいた私は、路上でヒステリーを起こし、「もう無理です」と泣き叫んだんです。「全部やめるのか」「やめます」というやりとりのあと、家まで送られ部屋に入った瞬間、抱きしめられ、こう言われました。「おまえはやめると言うが、俺から離れられるのか」。私は泣きながら、「無理です」と言いました。するとご主人様は、「そうだ、俺がいないと生きていけないよな。だから俺にご奉仕し続けろ」と。手を上げられた直後は、そうした“アメ”がありました。 ――そこまでされても、なお離れられなかったご主人様への思いは、どんなものだったのでしょうか? Ω 「とにかく愛されたい」に尽きます。「愛されたい」もおこがましい表現ですが。にもかかわらず、構われない日々が続き、病み、ずっと泣いていました。末期は、泣くことすらおこがましいと感じて、涙も出ず……何をしていたんだろう……ひたすら風俗で働いていましたね。泣けるようになったきっかけは、ゴールデンボンバーです。 ――え? 次のページ みっともなくとも、生きていていい 前のページ12345次のページ Amazon リアル風俗嬢日記~今日も元気にヌいてます~ (バンブーエッセイセレクション) 関連記事 アラフォー風俗嬢が見た、本番ナシの風俗が生んだ「膣でイケない男たち」の悲しみアラフォー風俗嬢が明かす“性を嫌悪する”オジサン――童貞喪失で傷を負った男たちアラフォー風俗嬢の苦い思い出……孤独で貧乏な優しい“社長さん”の盗撮セックスを仕事にする女が「かわいそうな女」とは限らない――風俗嬢と教師の価値観のズレアラフォー風俗嬢が『リアル風俗嬢日記』を読んで、地雷客や男性に思ったこと