サイゾーウーマンカルチャーインタビュー「調教されて風俗」は意外と多い? カルチャー 『リアル風俗嬢日記』著者インタビュー・前編 「調教されて風俗入り」は意外と多い? “家畜部屋”で暮らした女性の“リアル”な過去とは 2018/05/12 19:00 カルチャーインタビュー風俗嬢 きっかけは「好きな人」=「ご主人様」!? サブタイトルにもなっている通り、「彼氏の命令」が、風俗界に足を踏み入れたきっかけだ。が、第1話開始早々、「入店のきっかけは――…まあこういう暗い話は後ほど」と濁し、まずは入店面接をポップに回想する。そして数ページ後、「暗い話は後ほど」の約束通り、Ω子さんは明かすのだ。 『なぜ風俗嬢になったのか事情は様々だと思います 「借金」 「単純にお金が欲しい」 「夢のため」 「好きな人のため」』 Ω子さんは、「好きな人」という名の、“M奴隷”として主従関係を結んだ“ご主人様”のためだった。彼の命令で働き始め、売り上げも渡していた。しかし報われることなく、徐々に精神を病んでゆく。当時はそうした働き方に「何の疑問も持たなかった」と、Ω子さんは述懐する。 ――ご主人様の描写は、少し触れただけでも異常さが際立っていました。“ご主人様”って、何者なんでしょうか? 「なんなんだこいつは!?」と、イチ読者としてつい腹が立ってしまいました。 Ω 読者の方からも、「この男、許せない!」といったご主人様への怒りのメールをいただきます(笑)。 ――ご主人様とは、どういった経緯で出会ったのでしょうか? Ω とある学校に通っていたときの臨時講師として、月に何度か講義を受けていました。そのときは普通に“講師と生徒”でしたが、卒業後、私含めて何人かが、個人的に先生の元で直接指導を受けるためのグループに引き抜かれたんです。 ――それが世にも恐ろしき“奴隷グループ”だった……と!? Ω いえ(笑)。男子生徒もいましたし、その時点で「女子をはべらすため」という印象はありませんでした。ですが次第に、男子含め数人が抜けたり、代わりに新たな女子が入ってきたり、グループがぐちゃぐちゃになってきた頃から、異変を感じるようになりました。そのひとつが、もともと、地味でおとなしかった女子が、みるみる派手になってゆき、垢抜けていったこと。そのときはまったく知りませんでしたが、実は彼女、在学中から調教され始めていたんです。最終的に、そのときいた4人が全員調教され、奴隷グループになってしまって。 ――ちょ、ちょっと待ってください。さきほどから「調教」とサラッと言いますけど、いきなり「調教」するんですか? もともとSM愛好家の集まりなどなら理解できますが、Ω子さんたちはそうした趣旨で集まったのではないんですよね? 「調教」ってそんな日常的なものでしたっけ……? Ω 私にとっては当たり前のことすぎるんですが、担当編集さんからも、いつも同じように突っ込まれています(笑)。 ご主人様は、人の心をつかむのが抜群にうまい、頭の良い人でした。思えば、引き抜かれてグループに入った当初から、徐々にマインドコントロールされていたんだと思います。ささいな失敗でも、「お前はダメな人間だ」と、ひどい言葉で責められる。私が原因ではなくとも悪い結果を招けば「おまえのせいだ」と、やっぱり責められる。そんなふうに罵倒され続け、「おまえはクズだから、俺がいないと生きていけない」と刻み込まれて、本当にそうなってしまいました。 ――ささいな失敗とは、たとえばどんなことですか? Ω 本当に細かいことです。「作業がもたついた」とか、「ご主人様の知人への事務メールの返信がちょっと遅かった」とか。 ――そんなことで責められることに、疑問を抱かなかったのでしょうか。 Ω 疑問を持たせないようにしていたんだと思います。その手口のひとつが、グループ以外との接触を断つこと。バイトを辞めさせられたし、「ネット環境を切れ」と言われ、毎日ずっと閉鎖されたグループにいました。そういったごく狭い世界で「おまえは間違っている」と言われ続けると、「私が全部悪いんだな」と思い込んでしまって、「先生がいないと生きていけない」という心情になっていました。それが、調教序盤で、そうした日々が3〜4年続きました。 ――それでまだ序盤……。 次のページ 4人1組の「家畜部屋」で行ったプレイ 前のページ12345次のページ Amazon リアル風俗嬢日記~今日も元気にヌいてます~ (バンブーエッセイセレクション) 関連記事 アラフォー風俗嬢が見た、本番ナシの風俗が生んだ「膣でイケない男たち」の悲しみアラフォー風俗嬢が明かす“性を嫌悪する”オジサン――童貞喪失で傷を負った男たちアラフォー風俗嬢の苦い思い出……孤独で貧乏な優しい“社長さん”の盗撮セックスを仕事にする女が「かわいそうな女」とは限らない――風俗嬢と教師の価値観のズレアラフォー風俗嬢が『リアル風俗嬢日記』を読んで、地雷客や男性に思ったこと