サイゾーウーマンコラムオンナ万引きGメン日誌「万引き凶悪地帯」での死闘 コラム 【連載】オンナ万引きGメン日誌 オンナ万引きGメンが見た、「万引き凶悪地帯」――特攻服の少年&ブラジル人との死闘 2018/05/26 17:00 コラムオンナ万引きGメン日誌 こうした場合、万引きが事後強盗扱いとなり、警察は緊急配備を敷いて犯人の捜索にあたります。救急車が到着するまでの間、複数の刑事さんを相手に現場で状況を説明しながら実況見分を行い、救急車の車内でも同乗してきた女性警察官から詳しい事情を聞かれました。病院での応急処置を終えても、帰宅することはできません。いつもと同じように警察署に行って、被害届や調書を始め、さまざまな書類を作らなければならないのです。 いつもより丁重な感じで刑事課の取調室に案内されると、一番偉くみえる課長さんらしき刑事さんが入ってきて、不自然な状態で壁にかかる黒いカーテンをつまみながら言いました。 「このカーテンの向こうに、被疑者と見られる男が座っています。向こうからは見えないので、この男が犯人かどうか確認してもらえますか」 カーテンが引かれると、いわゆる「面通し」に使う暗いガラス窓が現れ、その窓を覗くと、私を突き飛ばして逃走した男が、刑事さんと向かい合って座っているのが見えました。 「この人に、間違いありません」 どこで捕まえたのか刑事さんに尋ねると、私が病院を出発するくらいの時間に、現場近くの公園で水を飲んでいたところを発見されたということでした。 「では、そのまま見ていてください」 そう言って隣室に向かった課長さんは、腕時計を見て男に時間を伝えると、部下の刑事さんに命じて手錠をかけさせました。恐らく男の手に手錠がかかるところを私に見せることで、被害感情を和らげようとしてくれたのでしょう。地方の刑事さんは、なかなか粋なことをやるものだと、少し感動しました。 このことは地元のテレビや新聞などで報道されましたが、自分が病院送りにされていることから喜びはありませんでした。いま思うとぞっとするばかりで、死ななくてよかったと心から思います。 (文=智美、監修=伊東ゆう) 前のページ123 最終更新:2018/08/28 11:39 Amazon 特攻服ジャケット 天下無敵 コスチューム 黒 メンズ 不良少年の「人殺しのような眼」を想像してゾッとしたわ 関連記事 勤務中にラブホへ行ったバツイチヤンママ保安員! 「変わった人が多い」万引きGメンの素顔オンナ万引きGメン、初日からカップ酒ドロボー捕捉! 保安員のセンスがあるのは20人に1人?オンナ万引きGメン日誌:中年男性が盗った――! 恐怖と興奮に震えた“初現場の思い出”【オンナ万引きGメン日誌】保安員になって早10年の私、「万引きGメンのなり方」教えます!フジ「万引き冤罪ドッキリ」が大炎上! 無実の芸能人を“犯罪者扱い”に「神経疑う」「不愉快」 次の記事 『Missデビル』の改悪に落胆の声 >