「連絡帳の自作」を保護者に指示――“時代錯誤”な小学校と“よき母になりたい”親はなぜすれ違う?
先日、小学1年生の子どもを持つという、とあるTwitterユーザーが、学校から「指定のノート全ページに、赤ペンでラインを引いて連絡帳を作ってください」といった指示を受けたという内容のツイートを投稿し、ネット上を騒がせた。連絡帳とは一般的に、児童が翌日の持ち物や予定などを書き記すノートで、文房具店には専用のノートも販売されており、誰もが小学生時代に一度は使用したことがあるだろうメジャーなもの。しかしそれを、保護者が自作しなければならないという話は「初めて聞いた」と驚く人が多く、「なぜ保護者にこんな苦行を」「市販の連絡帳を買えばいいのに」「この文具メーカーと癒着しているのではないか」と、批判の声がネット上を渦巻いている状況だ。
投稿者は、埼玉県さいたま市在住とみられる。周辺の学校でも同様の指示がされているそうだが、同じさいたま市の小学校に子どもを通わせている別の人物からは、「うちの地域ではない」との声も少なくない。つまり、この保護者による連絡帳づくりは、さいたま市のごく一部の小学校で行われているものとみられ、ネット上には、「さいたま市教育委員会は把握しているのか?」といった疑問も出ている。
そこで、幼児教育、小学校教育、中学校教育、国際教育等にかかわる事業を行っている同市教育委員会の「学校教育部指導1課」に問い合わせたところ、「(連絡帳についてそのような指示を出している小学校については)把握していません」とのこと。学校が独自に行っている指示のようだが、“児童の持ち物に名前を記入する”のと同様に、「子どもを育んでいくために、学校からご家庭に協力を依頼するものの1つではないか」という。その依頼内容については、各校の判断に委ねられているそうだ。
小学校が“子どもを育んでいく”場であるのは、学校側と保護者側の共通認識だろうが、それでも、市販の連絡帳をなぜ使用してはいけないのかという疑問は拭えない。投稿者の子どもは小学1年生のため、まだ文字のサイズやバランスの調節ができず、市販用は使いづらいとも想像できるが、わざわざ保護者がラインを引かなくてはいけない理由には当たらないと感じる人も多いだろう。