サイゾーウーマンカルチャー社会学校からの依頼に混乱する保護者たち カルチャー 保護者と学校はどう歩み寄る? 「連絡帳の自作」を保護者に指示――“時代錯誤”な小学校と“よき母になりたい”親はなぜすれ違う? 2018/04/29 19:00 インタビュー社会 保護者にも先生にも責任がある 共働きの家庭が増えている中、確かに、“ちょっとしたこと”でも、それが積み重なると保護者にとって多大な負担になることはあるだろう。では、なぜ学校側の“これくらいはお願いしても大丈夫”という認識と、保護者の許容範囲に大きなズレが生じてしまうのだろうか。 「まず先生たちの思考停止状態があると思います。『もし自分が保護者側だったらどう思うのかな?』と、ちょっと想像したら、『すぐ変えなければ』と感じるはずなんですが。きつい言い方ですが、『学校は、“考えないことが大事”とされ、“言われたことをやるのが最優先”の世界なのでは』と思ってしまいます。学校の先生が多忙すぎるとよくいわれるのも、頭を使って考えれば、改善される部分もあるのではないかと。PTAでもそうなんですが、その場では『前年通りにやる』のが、一番話がスムーズで、何か変えるとなるとさまざまな調整が必要となるんです。忙しい中だと特に、“前年通り”“言われた通りにやる”方に流されてしまうのではないかと感じます。そうやって、横着してきた結果、保護者への負担も大きくなってしまったのではないでしょうか」 負担を減らすために何かを変えようとすると、逆に手がかかりすぎて大変。そんな背景が学校にはあるのだろうか。しかし一方で大塚氏は、保護者側にも責任があるという。 「保護者も、学校側に要望を“伝えてこなかった”んです。確かに、忙しそうにしている先生に言いづらいのはわかります。特に子どもが入学したばかりだと、学校側の指示をこなすのにいっぱいいっぱいで、とても言う暇がない。お母さんたちって、基本的に、“いいお母さんにならなきゃプレッシャー”をものすごく受けていて、ノートにラインを引くとか、数え棒への名前つけだとかでも、子どものためにやらなきゃいけないといわれると、断れない。『おかしい』という感情を殺してしまうんですね。でも、その『おかしい』という気持ちを、学校側に言わないことには、何も変わらないですから」 今の保護者たちは、学校側から「モンスターペアレンツ」と見られてしまうことをとても恐れている傾向があり、一方、学校側もモンスターペアレンツに目をつけられないように気を使っている面があるという。そういった背景から、保護者も先生も、お互い「こういった点が負担になっているから、改善しましょう」と言いづらい空気が出来上がっているようだ。 「保護者と先生が、“お互いに負担を減らして、楽になる方法”を考えられるようになるといいですね。例えば、数え棒の名前つけにしても、もっとほかにやり方があるはず。数え棒ってたいてい、小1でしか使わないので、例えば、1人1セットではなく、みんなで共有のものにして、数本なくなったら、次の年に買い足せばいいと思います。学校側は、『子どもが数え棒をなくしたときに、保護者から苦情がくる』という理由で、名前つけを指示していると思うのですが、であれば、『子どもが数え棒をなくしても、学校に文句言いません』と保護者のコンセンサスを取ってもいいかもしれません。それに、自作の連絡帳だって、最初からそういうノートを買えばいいし、そもそもさいたま市の一部の小学校以外の子は、普通に連絡ノートを使っていますよね」 古くから、努力は美徳であるとされる日本。特に学校では、その考えが深く浸透している気もするが、保護者の不必要な負担が減ることは、「何より子どものためになります。ノートにラインを引いたり、名前つけの作業がなくなれば、その分子どもと遊べますもんね」と大塚氏は言う。冷静に考えて、子どものために何をすべきか――それを考えることが、保護者と学校双方にとって、思考停止状態から脱却する突破口となるのかもしれない。 前のページ123 最終更新:2018/04/29 19:00 Amazon 木製 計算おもちゃ 数字スティック カウント玩具 算数棒 数え棒 数学パズル 知育 知恵 学前教育玩具 幼児 子供 小学生用 誕生日のプレゼント 出産祝い 贈り物 (1) 数え棒の画像検索をしただけで呆然としちゃったわ 関連記事 「受験校を勝手に決めた」母と「逆らわない」娘――不合格連発の中学受験で起きた“非常事態”私立中の懇談会で「こんな偏差値の低い学校に」と泣く母――中学受験での不合格は“負け”なのか?「介護舐めるな」と批判噴出――“訪問介護をボランティアに”財務省の提案に、現場の本音は?女子就活生は「パンツではなくスカート」に異論の渦! 大学が指導する理由は“女性らしさ”?吉本興業の新入社員「お前呼ばわり」で退職――悪いのはパワハラ上司? “豆腐メンタル”の新人? 次の記事 WEST・神山、最高の中華鍋スマイル >