おばたのお兄さんの「五輪への夢」に見る、フジ・山崎アナとの格差婚がうまくいきそうなワケ
そんな妻のためにも、芸人としてブレークしたいというおばた。今後は『R‐1グランプリ』に出場することと共に、ターゲットを東京オリンピックに絞っているそうだ。「僕は日体大出身なので、2020年にあらゆる形で声がかかるよう、今、種をまいているところなんです」「同級生のコネクションも使って、そして、コーチングだとかストレッチの資格も取得して、2年後に向けて頑張っていけたら」と抱負を語っている。
新妻のために奮起する夫というのは、大衆ウケしそうなストーリーだが、見通しが甘すぎることに気づかされる。2020年のオリンピックで仕事をもらうのに、18年の今、種をまいてたら間に合わないだろう。
オリンピックは4年に一度開かれるスポーツの祭典だが、商業的イベントでもある。当然、多くの企業がビジネスチャンスを見込んで参入しているはずだ。旨味の多い仕事ほど取り合いになるのは必至で、その仕事を得るために、多くの企業が早めの対策を打つことが予想される。おばたが何の仕事を狙っているのかわからないが、目立つ仕事はあらかた決まっていると考えるのが自然ではないだろうか。
同級生のコネクションという言葉も曖昧である。おばたは30歳。同級生も同じ年頃だろうが、ビジネスマンとしてはまだまだ若手で、仕事を分け与えられる権限がある人は少ないだろうし、仮にそのポジションにいたとして、おばたにオリンピック関連の仕事を与えるメリットがわからない。
「〇〇さんとコネがある」「〇〇さんと飲み仲間」「〇〇さんは大学の先輩」といった具合に、業界の大物とのコネを強調する人はどこの世界にもいるが、「知ってる」くらいで仕事がもらえたら、世の中、苦労はないだろう。コーチングやストレッチの資格も、オリンピックの仕事とどう結びつくのかわからないし、そもそも、まだ取れてもいない。全てにおいて夢見がちで、ぼんやりしているのだ。
しかし、この緩さ、甘さがおばたの良さなのではないだろうか。
現実をしっかり見つめるタイプであれば、山崎アナとの格差を肌で感じて卑屈になったり、そう簡単に埋められない格差に自暴自棄になる可能性がある。しかし、そこがわからないからこそ、「すごい人と結婚したんだな」とか「(格差婚は)芸人として、ある意味ラッキー」などと、のんきなことを言えるのではないだろうか。
山崎アナはかつて『ノンストップ!』で、メジャーリーガーなどの大物と結婚すると、常に自分が気を使わなくてはならないから嫌だというような旨の発言をしていたが、確かにおばたなら、山崎アナが仕事の話をしても「自慢している」といったふうに曲解せず、「よかったね!」と言ってくれそうな雰囲気がある。
以前、この連載で、山崎アナについて「バカにされるのがうまい」と書いたことがある。山崎アナもおばたも、“ニブい”という意味でよく似ている。割れ鍋に綴じ蓋という言葉があるが、案外このカップル、お似合いだなぁと思えてきた。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
ブログ「もさ子の女たるもの」