サイゾーウーマンコラム中学受験は母を狂わせる!? コラム “中学受験”に見る親と子の姿 中学受験は母を狂わせる!? 「名簿にいない子が入学式にやって来る」騒動はなぜ起こるのか? 2018/03/18 18:35 コラム“中学受験”に見る親と子の姿 もう1つ、こんな話を聞いたことがある。同じ小学校で同じクラスの女の子2人組がいた。仮に愛ちゃんと紗季ちゃんということにしておこう。2人とも中学受験生である。特に子ども同士は仲が良くも悪くもなかったのだが、愛ちゃんママは紗季ちゃんママへの対抗心が湧き出てしまい、どうしようもない気持ちに襲われていたという。娘である愛ちゃんを使って「紗季ちゃんの偏差値」「志望校」「勉強方法」を探らせては一喜一憂していたのだ。 やがて紗季ちゃんがF女学院を熱望校にしている情報をつかんだ愛ちゃんママは、共学志望だった愛ちゃんを、F女学院志望とするように誘導。そして、紗季ちゃんママと会うたびに、こんなことを言うようになったという。 「知ってる? 今、F女学院って内部で問題が多いらしくて評判が悪いみたい」 「今年はF女学院の倍率が高くなるって……」 また、紗季ちゃんママの「あら、愛ちゃんもF女学院志望なの?」という問いかけに、 「とんでもない! ウチは紗季ちゃんのように頭良くないから~! 無理無理!!」 と答えるなど、紗季ちゃんママを油断させるようにも仕向けていったそうだ。 そして、6年生の冬。入試が終わった合格発表の会場には、勝ち誇る愛ちゃんママの姿があった。校名入りの封筒を持って無邪気に喜ぶ愛ちゃんの元に、手ぶらの紗季ちゃんが駆け寄り、 「愛ちゃん! すごいよ!! 私はダメだったけど、愛ちゃん、おめでとう!!」 と。そして、傍に来た紗季ちゃんママが愛ちゃんママにこう語りかけたらしい。 「おめでとう! 良かったね」 そのまま、2人が校門に向かって去っていく様を見ながら、愛ちゃんママは、人の幸せを喜べる紗季ちゃん母娘に対して、「負けたなぁ……」と呟いたそうだ。 中学受験は“母と子の受験”。それは時として、残酷なまでに己の“黒い思い”を鏡のようにして、自分自身にも見せてしまう。そんな“黒い思い”が、中学受験終了後に霧のように晴れる人もいれば、子どもの大学受験に至るまで持ち続ける人もいる。 我が子の“受験”というものは母にとっては、自分自身の生き様やら本当の人柄が如実に出てしまう、ある意味、とても怖い物なのだ。 (鳥居りんこ) 前のページ123 最終更新:2019/08/14 17:44 Amazon 中学受験 わが子を合格させる父親道―――ヤル気を引き出す「神オヤジ」と子どもをツブす「ダメおやぢ」 愛ちゃんママ、その瞬間に気づけてよかった! 関連記事 中学受験は「親のエゴ」「エリート志向」? 親と子の“一筋縄ではいかない”受験事情に迫る「難関中学受験向きの私立小を受ける」保育園経営者が語る、“お受験トレンド”とは?「発達の遅れを指摘された」保育園にクレームを入れ続けた“モンペママ”の悲痛な叫び保活が終わっても地獄? 「タバコを吸ってる保護者がいる」との密告で窮地に立たされるママも隠れ待機児童ママの悲痛な声――「就職先が見つからない」と保活断念、生活はカツカツの地獄 次の記事 リアリティ番組からポルノに転身 >