サイゾーウーマンコラム増加する“長期不倫”の背景 コラム 長期不倫ルポ「私たちってヘンですか?」 「気づいたら12年たっていた」増加する“長期不倫”の背景と事情【長期不倫ルポ】 2018/02/21 21:00 長期不倫ルポ 「気づいたら12年がたっていた」ダブル不倫カップル そういう意味では、既婚同士のダブル不倫なら、最初から「対等な関係」である。女性たちは「夫とはセックスしたくないけど、恋はしていたい」と感じている。そして、リーマンショックで実質収入が減って、経済的にも精神的にも余裕がなくなった男性たちは、同世代の女性たちと「心の交流」を図りたいと願った。そんなことからダブル不倫が増えてきた。 どちらも家庭があるのだから、互いの気持ちをわかりあえる。しかも、そう頻繁に会えるわけではないので、一緒にいる時間を最大限楽しく過ごそうとお互いが心がける。ごくまれに一緒に少し遠出をすると、それが貴重な思い出となる。いつしか8年や10年はたってしまうのだ。 「気づいたら12年がたっていました。10歳だった子どもが大学を卒業したとき、彼との年月にも思いを馳せていた。最初はこんな関係を続けて、バチが当たったらどうしようと思ったこともあったけど、『それぞれ、家庭は家庭で責任をもって頑張っていこう。でも、2人でいるときは愛情だけを育んでいきたい』と彼に言われて……。夫は生活していく上でのパートナーですが、彼は私個人の人生のパートナー。今はそう思っています」 そう話してくれた40代後半の女性の言葉が忘れられない。 この2年間、世間では有名人の不倫バッシングがすさまじかった。長期不倫をしている人たちの中には、そんな風潮を恐れる傾向もあった。それでも、彼女たちは自分を信じ、2人の関係を信じた。 「もちろん、いいことをしているなんて思ったことは一度もありません。いつも心のどこかで『この関係はいけない』と思い続けてきた。それでも別れられない、別れたくない。その思いの方が強かったから、10年以上、続いてしまったんでしょうね」 50歳になる別の女性はそう話してくれた。双方の子どもたちが成人したので、今は時折2人で1泊旅行もするようになった。 「ただ、2人とも離婚する気はありません。配偶者に罪はないし、どちらも家庭がうまくいっていないわけではないので。家庭は家庭、恋愛は恋愛だと私も思っています」 女性たちがそうやって、ある意味で「割り切る」ことができるようになったため、不倫は「一つの恋愛の形」として定着しつつあるのかもしれない。 不倫カップルが10組いれば20通りの思いがある。長期不倫の渦中にいる女性たちも、おそらく思いはそれぞれだろう。全て一括りにはできない。来週から、長期間、不倫をしている女性たちの声を連載していきたい。 亀山早苗(かめやま・さなえ) 1960年東京生まれ。明治大学文学部卒。不倫、結婚、離婚、性をテーマに取材を続けるフリーライター。「All About恋愛・結婚」にて専門家として恋愛コラムを連載中。近著に『アラフォーの傷跡 女40歳の迷い道』(鹿砦社)『人はなぜ不倫をするのか』(SBクリエティブ)ほか、多数。 前のページ12 最終更新:2018/02/21 21:00 Amazon アラフォーの傷跡 女40歳の迷い道 (鹿砦社新書) 世界は隠された関係にあふれてる 関連記事 「22歳から15年間愛人だった」不倫を続けた女が、別れを決意した瞬間妻の背後にも尾行の影――互いに浮気調査を繰り返していた夫婦夫の不倫相手から謝罪はなし 和解まで2年を費やした慰謝料請求裁判が決着「旦那さんと別れません」と主張する夫の愛人への複雑な感情夫の不倫相手と三者面談 30代後半の愛人が放った驚きの言葉 次の記事 嵐のメイキング映像のモザイクが話題 >