【連載】別れた夫にわが子を会わせる?

「妊婦なのにOL時代の服を着ていた」三男を抱えながら、節約して夫の借金700万円を返済

2018/02/02 15:00

――妊娠後、旦那さんは頑張って働いて、生活費をを豊美さんより多く入れてたんですか?

 つわりがひどくて働けない私の代わりに、彼がたくさんお金を入れてくれるのかと期待したら、入れる額がそのままだったんです。「これじゃ、生活していけないよ」って言って、問い詰めたら、多額の借金を抱えてるってことを打ち明けられたんです。その額は約700万円。額の大きさに、開いた口がふさがらなかった。

――なぜそんなに借金が膨らんだんですか?

 彼は、以前働いていた某アパレル会社で営業をしていました。その会社で、業務成績を上げるために、自腹で靴を買っていたんです。それに金遣いが荒くて、派手好きな人だってこともわかってきました。だから、余計に借金が膨らんでしまった。ちなみにその借金、全部サラ金で、大手の4社から借りていました。

――借金を目の前にして、どんなことを考えましたか?


 それでも、別れようとは思わなかったし、堕ろそうという気持ちも起こらなかった。入籍してから2年近くかかって、やっと授かった子だったので。だから、別れずに借金を返していくことを考えました。

――借金は、どうやって返済したんですか?

 返済プランを考えて、それを実行しました。夫が借りているすべての業者に電話をかけ、利率や借りている額を聞いていきました。当時はまだ個人情報保護法が成立してなかったので、「家内です」と言えば、どこのサラ金業者でも教えてくれました。そして利率の一番低い会社で新たにお金を借りて、高い会社の借金を返済していきました。

 2人の持ち物を売ったりもしました。クローゼットがすべて埋まるほどあった夫の靴や服。また、高価で必要のないもの、使ってないものは、すべて売りに出しました。当時は、すごく文句を言われましたけどね。

――ほかに具体的には、どういう節約をしたんですか?


 肉や魚などの生鮮食品を、肉のハナマサなどの業務用食品店で、月に数回、まとめ買いしていました。そうやって、なるべく買い物に行かないようにしていたんです。あとは、まったく洋服を買わなくなったり。最終的に3人できた子どもたちの洋服は全部お友達からのお下がりで、何ひとつ買ってあげていません。買ったのは、妊娠してるときに着てた緩やかなワンピースぐらい。服がないので、妊婦なのにOL時代の服を着たりしてました。

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