宇野なおみインタビュー【後編】

『渡鬼』女優・宇野なおみが“港区女子”に物申す! 自分の価値を「他人に委ねる」ことの怖さ

2018/01/03 19:00

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(前編はこちら)

■港区女子に告ぐ「ロシア赴任とかになったらどうするの?」

――最近は、オンナの色気をフル活用して戦略的に成り上がろうとする“港区女子”にも注目が集まっています。権力のある男性に見初められていい暮らしをしたり、仕事を与えてもらったりもする、港区界隈に出没する野心にあふれる女性のことを指します。

宇野なおみさん(以下、宇野) “港区女子”を知らなかったので、調べました。私が得意な英語を生かして通訳の仕事をしているように、自分の能力を仕事にするという面では、オンナの色気をスキルとして使うのも、正しいとは思います。ただ、それが自分の実力なのか、未来があるかというのは別物。自分の価値を他人に委ねてしまうのは怖いなぁと思いますね。


 だって、オンナの色気だけでステップアップして、ロシア語がわからないのにロシア赴任とかになったらどうするの? そこで「頑張ってロシア語学ぼう」ってなればまだいいけど、相手に称賛されてちやほやされることが自分を肯定できる理由になっていたら、「もしそこにお魚しかいなかったらどうするの?」「お魚に褒めてもらうのかな?」って思いますもん(笑)。

――ちなみに、宇野さんのまわりに“港区女子”のような女性はいますか?

宇野 いませんね。でも、古くは花魁とか、“オンナ”で稼いできた人たちもいるわけだし、港区女子も自分の意思で極めているならいいと思います。芸能界には、可愛さを武器にしている人もいっぱいいますし、彼女たちの努力はプロフェッショナルで、生活できるくらいお金を稼いでいるので、それはすごいことだと感じます。ただ、見た目を磨くことが仕事に直結するわけではない場合、やっぱり「仕事の評価は、見た目ではなく仕事ぶりで判断される」のではないでしょうか。

――華やかなところだけを拾って、勝ち組と認められたい港区女子ワナビーも増えているんです。

宇野 ワナビーなら好きにすればいいと思いますけど、時間だけはみんな有限なんですよ。夜遊びして、オーパスワン空けて、明け方タクシーで帰って~とか、それがいいならいいのですが、私は面倒だしイヤだから、その時間を使って勉強したり寝たりしたいです(笑)。興味あることに時間を使いたいですね。その結果、茶道の上級免状をいただいたり、TOEICで910点取れたりしたので、結局は時間の使い方に集約されると思います。「限られた時間」と言うと、みんな「若いうちに」って言いますけど、若さに限定する必要もないと思うんです。86歳ですからね、オンナの平均寿命。折り返し地点が40歳ですよ! そう思うと長いじゃないですか(笑)。


 私はフリーランスで、実家暮らしで、結婚もしていなければ子どももいないと、世間一般からみれば“負け犬役満”かもしれませんが、毎日楽しいし、ストレスも少ないし、なにより自分で納得できています。「人より良ければいい」という考えだと底なし沼に落ちるので、ポジティブな意味での自己満足ができる時間の使い方をすればいいと思います。

――宇野さんが時間の使い方で意識していることはありますか?

宇野 大事なことは後回しにしないこと。私の周りは年配の方が多いので、のんびりしていると置いて行かれちゃう(笑)。先日も、『渡鬼』でご一緒した大好きな俳優さんが60歳で亡くなられたんです。「一緒に舞台に立ちたい」と思っていたので、ものすごく悲しい思いをしました。女優業をもう一度本格的にやりたいと思ったのも、またチャンスを逃してしまうことがないようにとの思いからです。

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