サイゾーウーマンコラム神林広恵「女性週刊誌ぶった斬り」ローラ“独立問題”の裏にある事務所支配 コラム “噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第395回】 ローラ“独立問題”が円満解決へ? 「週刊女性」報道に見る、芸能界の不条理な事務所支配 2017/12/19 21:00 SMAP女性週刊誌ぶった斬り!ローラ 「週刊女性」1月1日・9日合併号(主婦と生活社) 下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る! 空恐ろしく感じた。“文春砲”の藤吉久美子の不倫報道。この程度(失礼)の芸能人にここまでやるのか、という恐怖。さらに世間では絶賛された夫の太川陽介の会見も怖かった。妻を完全に支配している男に見えたから。 第395回(12/14~12/19発売号より) 1位「ローラ 円満解決へのカウントダウン」(「週刊女性」1月1日・9日合併号) 2位「まさかのパロディー 中居正広のエール!? 『72時間ホンネの旅』」(「女性セブン」1月1日号) 3位「SMAPのいない世界〜5人と芸能界は、何が変わったか〜」(「週刊女性」1月1日・9日合併号) 年内発売の女性週刊誌はこれで最後だ。今年の女性週刊誌は全般的にスクープに乏しかったことは残念だが、社会や政治ネタ、ルポもので健闘したと思う。まあ、そんなことで、最後もネタ的にはパッとしない。年末ワイドでお茶濁しって感じだからね。 そんな中で目を引くのが「週刊女性」のローラと所属事務所の独立確執記事だ。なんと円満解決へと向かっているらしい。 今年6月にローラ自身がTwitterでつぶやいた意味深なコメントから端を発したこの問題。その後、事務所による“奴隷契約”やローラに対する社長の“過剰な束縛”が次々と明らかになったが、その結果、何が起こったかというと、事務所の稼ぎ頭でもあったローラのテレビ出演の激減だ。 そう、事務所の力がやたら強く、逆らえばタレントが“干される”という日本芸能界の悪しき構造がここでも発揮されたわけだが、しかし、そこに異変があった。テレビ出演は減ったものの、出演CMが増えて、なんとローラは2017年のCM女王に! 確かに日本芸能界にあって、これは異例なことだ。その理由について、記事ではこんな事情が紹介されている。ローラのCMは確執のある所属事務所が取ってきた仕事であり、その思惑は「もう1度、自分(所属事務所社長)の手でCM女王にすることで、彼女に事務所に残るほうが得策であることをアピールしたかった」のではないかと。 その作戦が功を奏したのか、結局双方が歩み寄り、ローラの個人事務所を認めつつ、旧事務所とは業務提携して利益配分する。社長の“束縛”からも逃れられるという大人の解決を見たというもの。 だが、額面通りに取っていいのかは疑問だ。なにしろ「週女」は、これまで事務所寄りの論調で、独立するローラを暗に非難するような記事を掲載してきた雑誌だ。今回も“事務所の営業力が大きい”“CMはすべて事務所が取ってきたもの”などとよいしょし、“このまま裁判沙汰などになれば、スポンサーもローラから撤退する”などという真偽不明な「代理店聞き取り調査」を紹介しているからだ。 外壁を固めて、完全独立を阻止し、事務所にローラ利権を残す。芸能事務所がタレントの独立を許す際、“よくやる手”ではないのか。結局は同じカゴの鳥の灰色決着。そんなことにならないよう、また芸能界の不条理な事務所支配に楔を打つためにも、ローラの逆襲に期待したい。 次のページ 「中居&ナイナイ日本一周」が意味深 12次のページ Amazon GQ JAPAN (ジーキュージャパン) 2018年01・02月合併号 [GQ MEN OF THE YEAR 2017] 関連記事 季節はずれの天皇退位――安倍首相による皇室の“政治利用”について言及した「女性セブン」“保守オヤジ”のガナリ声が大きくなる中、良質の社会派記事を掲載する女性週刊誌安室奈美恵が語った、引退の裏にある“孤独”と、「女性自身」が伝える一縷の希望三田佳子次男「暴行事件」と詩織さん「性暴力」報道が示す、女性に対する警察の甘い認識『72時間ホンネテレビ』のジャニーズ“忖度”を元SMAP3人の責任にする「女性セブン」