仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

にゃんこスター・アンゴラ村長、大先輩・モモコへの発言に見る「自己中」「今どき」な思考回路

2017/12/14 21:00

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「今日、ごはんに連れて行ってくださいって言おうと思いました」にゃんこスター・アンゴラ村長
『ナカイの窓』(日本テレビ系、12月6日)

 「感覚が違う」「新しい」という意味で、“今どき”だなと思う女性有名人が2人いる。

 1人目はフジテレビ・山崎夕貴アナウンサー。元横綱・日馬富士が幕内力士の貴ノ岩を暴行した原因は、「横綱・白鵬が貴ノ岩を説教中に、携帯をいじるという“非礼”がきっかけとなった」といわれているが、数年前に山崎アナも同じようなことをしている。

 オリコン主催の「好きな女性アナウンサー」にランクインするなど、フジテレビのエースとなりつつあった山崎を、石橋が鮨屋に連れて行った時のこと。山崎は、石橋と話している最中に携帯をいじった上に、かかってきた電話に断りも入れずに出たことを『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)で暴露されていた。「まいっちゃった」と石橋が自嘲気味に笑い、スタジオからも追従笑いが起きる。が、当の山崎アナは、笑うでも謝罪するわけでもなく、表情にも変化は見られなかった。


 石橋のような大物芸能人を前に、女子アナが非礼を働くというのは、フジテレビの一種のお家芸で、かつて木佐彩子アナがよくやっていた。帰国子女である木佐アナは、漢字や敬語が苦手だったがゆえの非礼なのだが、あくまでもカメラが回っている時なので、双方遺恨はない。

 しかし、プライベートは違う。食通で知られる石橋が、山崎のような人気アナウンサーを庶民的な店に連れて行くとは考えづらい。さらに言うと、大物の自覚がある石橋が、山崎アナと割り勘にすることはあり得ないだろう。業界の大物にご馳走してもらうのに、しかも、怒らせたら面倒くさそうな石橋相手にそりゃないだろうと思うが、こういう思考回路こそ“古い”のだと思う。

 「誘われたから、もしくは断りきれなかったから、鮨屋に行った」「だから、高い店だろうと安かろうと、私には関係ない」「電話に出たのは、仕事中ではないから」――山崎の“言い分”を勝手に想像すると、こんな感じなのではないか。

 石橋をはじめとした古い人は、「自分クラスのポジションの人間に誘われたら、うれしくてたまらないはず」と思っているものの、“今どきの人”にとって、上司や取引先は仕事中の人間関係であって、まるで会社の中の自販機のように、定時が過ぎたら用はないのではないだろうか。偉い人であろうと、そうでなかろうと、基本的に自分にしか興味ないのが“今どき”なのである。

 山崎アナの“今どき”感が最大限に発揮されたのが、『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)に、俳優・小泉孝太郎が出演した時のことである。孝太郎は言わずとしれた小泉純一郎元首相の子息だが、「家事は全部女性にやってほしい」と発言すると、山崎アナは「器の大きさがほしい」「私のカレは全部やってくれる」と反論していた。山崎アナの彼氏は、お笑い芸人・おばたのお兄さんで、売れている芸人とは言いがたい。総理大臣の息子の前で、売れない芸人を褒めることができるのも、“今どき”だと私は感じる。


にゃんこスター クッション