カルチャー
テレビ業界で働く女性放送作家座談会(前編)

テレビ業界の異常なセクハラ、年収1000万円作家のウラ側……「女性放送作家」座談会

2017/12/23 19:00

――年収1000万超え! すごいですね。放送作家さんって実は稼げる職業なんですか?

B どうでしょう、ピンキリだと思います。上はそれこそ億プレイヤーですけど、数えられるくらいじゃないでしょうか。下はどうなんだろう、よくて月4万円とか。

A 放送作家は、直接ディレクターさんと作業することが多いので、そこで認められたり、「この人やりやすい」と思ってもらえたら、どんどん仕事に呼んでもらえたりします。あとは、何だかんだ人と人の相性も大事な仕事なので「ディレクターと仲良し」というのも大事なポイント!

B いますね! そういう人。「会議での発言も企画も面白くないのに、なんでずっと残れてるんだろう」って人は、大体Dとプライベートでも仲が良くて、そのディレクターがいる番組は大体呼んでもらえるんですよね。

C へぇ~! 男性同士でのえこひいきみたいなのも、やっぱりあるんですね!

――そういう放送作家さんも含め、稼いでる人はやはり激務なんでしょうか?

A たいていの方は「ほとんど寝てない」ってレベルで毎日を過ごされているみたいです。

C あ、そういえば年収1000万超えの男性作家さんも「1月1日と2日以外、丸一日の休みは取ってない」って言っていました。睡眠時間も「5時間眠れたらいい方」だとか。

B 全て自分でやってらっしゃる方はそういう方も多いみたいですけど、大御所さんの中には、弟子や後輩に台本を書かせて、自分はそれを確認するだけって人もいますよ。いくら台本を肩代わりしたって、番組のエンドロールで名前が流れるのはその大御所さんだけなんですけどね。

A 「使い勝手がいい」ってウラでディレクターや大御所に言われているのにも気づかず、はした金で使われる若手作家の多いこと多いこと……。

C 私のような若手にとっては、先輩作家さんから頼まれたら“断る”っていう選択肢が基本的にないので、足元を見られているのがわかっていてもやっちゃうでしょうね。そもそもその“はした金”すら出ないお手伝いもいっぱいしますし……。

――だんだん夢のない話になってきましたね(苦笑)。

B 稼げる金額的には夢のある職業だとは思います。けど、やっぱりそこまで達するのは相当大変ですね。当たり前ですが。

A 私は子どもがまだ小さいからそっちに割かなきゃいけない時間も多いし、現状は難しいかな。

B そうですね。私も独身時代のようにがむしゃらに、っていうのは正直体的にも厳しいです。たくさんお仕事をしたい! っていう気持ちはありますけど、宿題を抱えれば抱えるほどなぜか“つわり”がひどくなるので、今は無理しないようセーブしています(笑)。

C えっ! 宿題というストレスが“つわり”となって出てきちゃうんですか!?

――Aさん、Bさんはママということもあり、今後は“仕事と子育ての両立”が求められますが、後編では結婚から妊活、出産まで、“ママ放送作家”としてのお話を詳しくお伺いします!

(文:ヨコシマリンコ)

最終更新:2017/12/23 19:00
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