サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビューカテゴライズされたい「non-no」女子 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「non・no」12月号 「恋愛あるある企画」が好評? 「non・no」女子の“カテゴライズされたい”願望の正体 2017/11/16 20:45 non・no女性誌レビュー 男子校育ちをややバカにしてる? お次は「男子校育ちVS.共学育ちの恋愛あるある」を見ていきましょう。皆さん、覚えていますでしょうか。実はこの企画、10月号に掲載されていた「女子校育ちVS.共学育ちの恋愛あるある」の男子編なんです! 「大反響の声」に応えて、「男子400人も徹底リサーチ!」ということで期待が高まります。 まずは「共学育ち」と「男子校育ち」のイメージがまとめられています。共学育ちのファッションはシンプル系で、黒髪でやや長めのヘアスタイル。男女問わず関わり合いがあるためコミュ力が高く、女子に対しても幻想は少なく現実主義。友情から恋愛に発展するパターンが多いとされています。一方、男子校育ちはというと、ブランドバッグやアクセサリーを身に着け、茶髪の短髪にアメカジファッション。基本イツメンとしかつるまず、女子に幻想を抱いているため、見た目で人を好きになりがち。カッコよさや筋肉を褒められるとうれしい、とされています。「男子校出身者ってちょっとガキっぽいよねー!」と男子校育ちをややバカにしている感は否めません。女子編に引き続き偏見が強い! しかし興味深かったのは、続く「LOVEデータ比較」です。「今現在彼女はいる?」との質問にYESと答えたのは、共学男子は49%なのに対し、男子校男子は61%と、男子校男子の方が彼女アリ率が高いという結果に。また「恋愛の悩みは?」という質問に、男子校男子は「女子と話が続かない」「デートで緊張する」「告白のタイミングがわからない」といった、まさに恋愛真っ最中の回答をするのに対し、共学育ちは「大学に入って出会いが減った」「ピンとくる人が見つからない」「無理めな人を好きになってしまう」とクールな回答。 男子心理の解説役として登場した恋バナ収集ユニット・桃山商事の清田代表は「女子に幻想を抱いていない分、女子への評価もどんどんシビアに」「ライバルが多い環境で育ったため、自分のレベルを客観視できている。無理めな人を好きになると、挑戦するより諦めてしまう人が多いかも」と分析しています。女子校女子の方が恋愛に消極的とされた女子編とは逆の結果に意外性を感じつつ、今回も「あるある」が並べられただけの「VS」企画にオチは特にありませんでした。 にもかかわらず、なぜこの企画シリーズはノンノ女子の大反響を呼んだのでしょうか。「○○女子」「○○男子」などと他人にラベル付けし、カテゴライズする行為は、イメージを決めつけて視野を狭くしたり、時には無益な分断を生むことさえあります。しかし一方で、自分に、例えば「女子大生」といったラベルや肩書がつくことで、自身の立ち位置を理解できたように思い、安心するという側面もあります。 冒頭でも指摘したように、代わり映えのないルーティーンの日常を送るっているように思えるノンノ女子。皆が似たようなファッションを身にまとい、平和主義者で仲良くつるんでいる彼女たちにとって、本気の「VS」にならない程度のラベル付け遊びは、適度な刺激と自分の立ち位置を確かめる安心感を得るのにうってつけなのかもしれません。 次のページ 「おもしろくない」といわれることが人生の分かれ目に? 前のページ123次のページ Amazon non・no(ノンノ) 2017年 12 月号 [雑誌] 関連記事 「私たちはモテて当然」の恋愛強者ぶりを発揮する、「non・no」女子大生に募るモヤモヤ女子校出身者をディスりまくる、「non・no」恋愛あるある企画の意図とは?「non・no」モデルの私服に見る、新しい“量産型女子大生”と葛藤「non-no」女子が無敵だった! 「an・an」が弾きだした黄金の女性像田中みな実の“アラサー独女自虐”が浮き彫りにする、「GINGER」女子の生きづらさ