血管力チェックリスト付き

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2017/07/16 16:00

動脈硬化を引き起こすメカニズム

iketanisensei
池谷医院医院長・池谷敏郎先生

 では、見た目年齢を老けさせてしまう動脈硬化は、どのように起こるのでしょうか?

 血管は“内膜”“中膜”“外膜”の3層でなっており、血液の流れる“血管内腔”と内膜の境目には“血管内皮細胞”があり、この血管内皮細胞は、血管のコンディションを整備するバリアやフィルターのような働きをしています。ところが、血液中の善玉コレステロールと悪玉コレステロールの比率が悪いと、マクロファージ(酸化されて異物化した悪玉コレステロールを取り込んで処理する白血球の1つ)が、コレステロールを大量に取り込んで脂ぎった“泡沫細胞”へと姿を変え、内膜内に蓄積。さらに中膜からは“平滑筋細胞”が増殖し、血管内壁はコブ状に内腔に向かって飛び出し、“プラーク”を作ります。

 プラークに傷がついて血栓ができたりすると、血管の一部がはがれてその先の細い血管に詰まるなどして、血流が滞り、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こすことも。そのため、池谷先生は「プラークを作らないためにも、酸化ストレスや悪玉コレステロールを増やさないようにしなければなりません。すでにプラークができている場合は、今以上大きくせず、傷つかないようにすることも大切。そのためには、脂質異常やストレス、喫煙など、悪しき生活習慣を改善することです」と警鐘を鳴らします。

■動脈硬化を抑える働きを持つ女性ホルモン

 血管力の低下に伴う動脈硬化。女性の場合、閉経を迎えたあたりから一気に進行する傾向が見られるとのこと。その理由を、池谷先生は次のように語ります。


「女性ホルモンの1つであるエストロゲンには、血管を掃除してくれる血管内皮の一酸化窒素を増やす働きや、平滑筋細胞の増殖を抑える作用などがあります。ほかにも、内臓肥満を抑えたり、悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やしたりする作用もあるため、エストロゲンが一気に減少する閉経後に、動脈硬化を起こす人が増えるのです」

 なお、エストロゲンは30代頃から徐々に減り始めるので、閉経を迎える前でも、エストロゲンを補う要素を積極的に取り入れることが、血管力を高めて動脈硬化の進行を抑えるとともに、見た目の若さを保つ秘訣なのだそうです。

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