非日常感を味わえる? 「CLASSY.」が30代女性にススメる“叱られ”の意味
7月号の「CLASSY.」(光文社)は、「この夏、デニムを買えるといいことが起きる!」です。「CLASSY.」では定番のデニム特集、リードでも「まさかとは思いますが、『お気に入りの一本をもう3年はいてる』『最後にデニムを買ったのは、いつだったか思い出せない…』なんて人はいないですよね? もしいるなら、今すぐ買い替えに走って!」と煽ります。「デートが楽しくなる!」「キレイめがこなれる!」「トレンド上手になる!」などの「いいことポイント」の中でひときわめを引くのが「“いいね!”が増える!」。いわゆる「インスタ映えする」というやつです。「CLASSY.」にもやって来ているのか、“モテ”より“映え”の時代が……。
<トピックス>
◎特集 この夏、デニムを買えるといいことが起きる!
◎30代女子はもっと叱られたい!
◎結婚前提に元カレと復縁ってアリですか?
■愛おしそうな表情の田口に注目
というわけで、心配しながら今月号を読み進めましたが、こんな企画を見つけたので、それはまったくの杞憂だったようです。「デニムでデート 妄想劇場」。こちらキャッチには「大ヒット作品の名場面を完全再現」とあります。「デニムを嫌いな男はいません!」「デニムのヘルシーな雰囲気が好き」などとのたまう「CLASSY.」名物、そこそこ稼いでそうな男性陣たちによるアンケート。そこから「『こんなデニム女子とデートしたい!』モテ確実の3大人気コーデ」を抽出し、究極のデニムモテコーデで、「大ヒット作品の名場面を完全再現」したデートを展開するという、なかなかに奇怪な……いや手の込んだ企画です。しかもデート相手は元KAT‐TUNの田口淳之介ですよ。キャスティング意図からして、ますます迷宮に入り込みそう。
「揺れるスカートに適度な肌見せがいい女っぽい!」デニムスカートコーデ、「パッと見ですぐわかるトレンド感がおしゃれっぽい!」ワイドボトムにGジャンコーデ、「ベーシック×清潔感のあるカラーがさわやか」というブルー×ブルーコーデ、と男子に人気の3大コーデが男子のおすすめポイントとともに紹介されていますが、正直次ページから展開される謎の茶番劇の前では、まったくの無意味、無意味なのです。
シチュエーションその1「さわやか!コーデで“逃げ恥”ピクニックコーデ」。「大好きな彼を思い切ってデートに誘ってみたけど…」と、デート序盤は2人の距離がちょっと微妙。しかし……「お弁当作ってきたの」「ちょっとー手加減してよ(※2人でフリスビーしながら)」「こんなにはしゃいだの久しぶりかも」「……(※愛おしそうな表情の田口)」「……(※突然手をつなぐ田口)」「僕とお付き合いしてください」。なんと見開き2ページで通常の着回し企画30日分を再現してしまいました。恐ろしいなこの手法。人気ドラマや映画にあやかれば、2ページで「付き合ってください」にたどり着けるわけですからね。まさにローコスト、ハイリターン。ただ1つ、男性に人気のデニムモテコーデは一切頭に残りません。なんとも毒饅頭感漂う企画でした。