同じ話を何度も繰り返し……

詩織さん、三鷹ストーカー、小金井刺傷……被害者が警察に「たらい回し」にされるのはなぜ?

2017/06/09 20:38
keishicho
警視庁ホームページより

 元TBS記者でジャーナリストの山口敬之氏にレイプされたとして準強姦容疑で被害届を出していたフリージャーナリストの詩織さん。彼女が東京地検の不起訴処分を不服として審査を申し立て、実名・顔出しで行った会見が注目されているが、被害届を出す際、警察のたらい回しに遭っていたと6月7日放送の『荻上チキ・Session-22』(TBSラジオ)で明かした。

 詩織さんは、最寄りの警察に相談に行き、女性警官を希望して被害の話をしたところ、話し終わったところで自分は交通課の警官だと明かされ、他の課の警官にまったく同じ話をさせられた。その挙げ句、被害に遭った場所の管轄である高輪警察署に行ってくれと言われたという。

 かつて三鷹のストーカー殺人事件でも、被害者の女子高校生は、杉並署に相談したところ、「三鷹署に相談すれば」などとたらい回しにされていたと報じられている。また、昨年起きた小金井のストーカー刺傷事件でも同じような対応を警察署が取ったことは記憶に新しい。

 なぜ被害を相談しに行った警察でたらい回しにされてしまうのか? 課や管轄は、どういう仕組みになっているのか? 匿名を条件に現役の警察官がインタビューに応じてくれた。

――事件の被害者になった場合、私たちはまずどうすればいいのですか?


「基本的には最寄りの警察署に行ってください。受付で相談の概要を言ってもらえれば、適切な課の適切な担当者に取り次ぎます」

――詩織さんの場合は、関係のない交通課の警官に取り次がれたようですが?

「個別のケースにはお答えできないのですが、性犯罪は喧嘩や窃盗と同じく刑事課が担当していますが、時間帯によっては刑事課の女性警官が出払っていることも多いです。そのため、他の課の女性警官が話を聞いた可能性はあります」

――すべて話し終わった後に、他の課の警官にまた同じ話を最初からさせられることもあるのでしょうか? 同じ警察署内でも課が違うと情報は共有されないのですか?

「もちろん情報は共有しています。ただ、きちんと間違いのない詳細を把握できるよう何人もの警官が聴取するのは普通です。聴取に間違いがあると、結果的に被害者のマイナスになってしまうので」


警察は本当に「動いてくれない」のか (経営者新書)