小原正子の夫婦エピソードはなぜ笑えない? “モラハラ夫”と“認められたい妻”の構図
6月6日放送の『踊る!踊る!さんま御殿!!最強2世軍団が大暴露 有名人の妻が大モメ祭』(日本テレビ系)に出演した小原は、夫に対する不満として、「夫がキレた」エピソードを披露する。ハワイのベトナム料理屋で食事をしていた時のこと。マックが次男に食事を与えていたが、子どもが水を飲みたそうだと思った小原が飲み物を飲ませたところ、マックがキレて「10か0やろ」と言ったそうだ。“子どもの面倒を見させるなら、全て自分に任せるべき”つまり“お前は口を挟むな”という意味で怒ったといい、マックは小原と幼子2人を置いて、店を出て行ってしまう。戻ってきたマックに、小原が「(文句があるなら)もっと優しく言って」というと、マックは「わかった。優しくしよう。その代わり、お前のこと好きな女とは見られん」と言い放つ。「好きな女だから、こんだけ直してあげよう思うんちゃうか?」というのが理由で、小原も「私、愛されてる」と結んでいた。
夫婦のことに他人が口を出す筋合いはないのは百も承知だが、これ、モラハラというやつではないだろうか。小原は「不満に思うことは、キレないで話してほしい」と頼んでいるのに、マックは「おまえに悪いところがあるから、俺が直してやっている」「直してやるのは、愛情があるから」と理論のすり替えを行っているのだ。
そもそも、マックは「直してあげる」と上から物を言っているが、子どもに飲み物をあげた小原の何が問題なのか、私にはわからない。単に自分が気に入らないだけなのではないだろうか。このように書くと、マックが悪人のようだが、小原もそれを受け入れる土壌を持っている。過去の遍歴でわかるように、小原は「相手のいいなりになれば、自分は認めてもらえる」と思っているフシがある。相手が怒っているのは、自分が悪いのではなく、単に相手の機嫌が悪いこともある……そのことに気付かない女性と、マックのように自分が気に入らなければ怒るという男性は、共依存的な意味で相性ばっちりなのだろう。
男に気を使う小原だが、同性には無神経である。小原は先月、脇に小さなしこりを感じて乳腺外科を受診したが、異常はなかったとブログで報告していた。問題がないのに、書く必要があったのか、私には疑問である。芸人というより、最近はママタレとしての活動にシフトしているようにも見える小原だが、これからは同性に気を使えないと、ママタレとしての成功は難しいと思うのだが。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、最新刊は『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
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