サイゾーウーマンコラム仁科友里「女のための有名人深読み週報」はあちゅうに見る「自分にしか興味ない」人 コラム 仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」 はあちゅうの“セクハラおじさん告発”に見る、「結局は自分にしか興味がない」人物像 2017/04/20 21:00 女のためのテレビ深読み週報 はあちゅうオフィシャルブログより 羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。 <今回の芸能人> 「無自覚な人は根が深い」はあちゅう 『おしゃべりオジサンと怒れる女』(テレビ東京、4月16日) その昔、高畑裕太がまだテレビに出まくりだった頃、『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)に俳優・渡辺裕太と共に“二世枠”で出演したことがある。その時、司会の坂上忍が、2人に「芸能界で生きていくにあたり、一番厳しいことは何か?」と尋ねると、高畑は「何かを見つけていかないといけないところ」、渡辺は「やりたいと思った以外の仕事でもやらないといけない」と答え、坂上に「それは二世ならではの答え」と不興を買っていた。 坂上いわく、芸能界で大変なのは「(簡単に)テレビに出られないところ」とだそうだ。これは、芸能人にとって最初の仕事をつかむことが、どれだけ大変かと言い換えられるだろう。実績がなければオファーがなく、オファーがないから、実力を披露することもできずに仕事が来ないという悪循環にはまってしまう。そういった世界で、二世などコネのない女性が売れたいと思った時の最終手段は“枕営業”だろう。 しかし、女性側に“カラダを張ってでものし上がってやろう”という野心がない場合、枕営業を持ちかけることは、ハラスメントでしかない。女性の生き方や恋愛などに関する著書を出版し、女性ファンから支持を得る作家・ブロガーのはあちゅうは、4月15日放送の新番組『おしゃべりオジサンと怒れる女』(テレビ東京)に出演し、司会の古館伊知郎、坂上、千原ジュニア相手に、テレビや広告業界の「俺と寝ておくといいことがあるよと匂わせるオジサン」について発言。その具体例として、「番組の偉い人から、“打ち合せ”と言われて出かけてみたら、バーだった」を挙げて、怒っていた。 このほかに、進歩的とされるIT業界などで働く男性にも、「オンナがタバコを吸うなんて」「(自分はできなくていいけど)オンナには料理ができてほしい」「(自分は適当な格好でいいけど)デートの際、オンナにはメイクばっちりで来てほしい」といった昭和的な男尊女卑の人が多く、「無自覚な人は根が深い」と語った。 男性のあり方を問うネタは、女性の共感を呼びそうなので、そこがはあちゅう人気の一因だと思うが、論理の甘さにも気づかされる。例えば、「“打ち合せ”と言われて出かけてみたら、バーだった」発言に、古館は「バーはダメなの?」と驚いて見せるが、はあちゅうは「人によると思うんですけど」と途端にトーンダウンしてしまう。「人による」発言の解釈は、「仕事の打ち合わせといって呼び出してきた男性が、タイプであればいい」もしくは「女性によっては、仕事の打ち合わせがバーであることを不快に思わない」の2通りあるが、はあちゅうがゲストとして招かれた番組で、他人の話をするとは考えにくいだけに、はあちゅうが前者を意図して発言をした可能性は高い。 次のページ 「無自覚な人は根が深い」は、はあちゅう自身 12次のページ Amazon 恋愛炎上主義。 (一般書) 関連記事 バカリズムの「自己顕示欲を斬る芸」に抱く、「なぜ標的は女性だけなのか?」という疑問「はるな愛に裏切られた」と激怒――女優・仁支川峰子に見る“恩を施す”人の落とし穴性適合手術を受けたKABA.ちゃん、ダメ出しをする両親の言動に欠けていたモノHKT48・指原莉乃は、本当に「友達がいない」のか? 自虐発言ににじみ出る“生臭い野心”オリラジ・中田敦彦、“天狗”といわれるコメンテーターぶりに見る「受験生メンタリティ」