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歌わなきゃ一流だったのに

シャウトできないブルース・ウィリスに、ナルシストなロバート・ダウニー・Jr……歌手として失敗したスター俳優たち

2017/06/10 19:00
下手なのに近所のカラオケ大会に出てくる名物ジジイみたいになってるクリント・イーストウッド

 既報のとおり、故プリンスやボブ・ディランら多くのトップ歌手が映画での成功を夢見ては挫折してきた。しかし、またその逆もしかり。数多くの映画スターたちが歌手としても認められたいと音楽活動に手を出し、そのほとんどが「音痴すぎる」と酷評されている。神は「歌」と「演技」の二物をなかなか与えないものなのだ。今回は歌手としてもトップを目指したものの、あっさり頓挫してしまった「超音痴な映画スター」を紹介しよう。

■クリント・イーストウッド(87)

 ハリウッドの生き字引ともいえるクリント・イーストウッド。俳優だけでなく、映画監督、映画プロデューサー、作曲家に、はたまた政治家という多彩な才能を持つ彼だが、歌唱力だけはなかった。

 クリントが初めて全米に歌声を披露したのは、1959年放送開始のテレビ西部劇『ローハイド』。このドラマでピアノでの弾き語りシーンに挑んだのだ。音程が微妙だったわりには視聴者から好意的に受けとめてもらい、この波に乗ろうと62年に『Cowboy Favorites』というタイトルのLPをリリース。ハンサムなクリントに夢中だった女性ファンは喜んだが、一部からは「歌の才能はないのでは……」とささやかれるようになった。

 しかし、「オレは歌える俳優」と自負していたクリントは、69年に『ベンチャーワゴン』というミュージカル映画に出演。森の中で、木と会話するという内容の「I talk to the Trees」を歌ったのだが、これがかなり難しい曲だったため、音程がズレまくり。とはいえ、幸運なクリントは、80年に発売した映画『ブロンコ・ビリー』の挿入歌「Bar Room Buddies」がデュエットだったこともあり、「Billboard Hot Country Single」で1位を獲得。同年公開された映画『ダーティファイター燃えよ鉄拳』の挿入歌「Beers To You」は、大御所歌手レイ・チャールズとのデュエット曲で、シングルとしては振るわなかったがサントラはカントリーミュージックのアルバム部門で初登場5位。このようにかなりヒットした曲もあったのだが、「話題作だから売れた」と言われ続けた。

 そんな世間の声を代弁したのが、人気コメディアンで俳優のビリー・クリスタル。ビリーは司会進行役を務めた04年のアカデミー賞で、クリントがいかに素晴らしい俳優で監督なのかをミュージカル風に歌った後、クリントの膝の上に乗り「『ベンチャーワゴン』では歌も披露しましたね。お願いですから、もう二度と歌わないでください」と懇願したのだ。クリントは複雑そうな笑顔で頷いていたが、このビリーのディスを聞いて「すっきりした!」という声が多数上がった。

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