『アナ雪』放送の手腕でわかった、フジテレビがやるべきコンテンツ
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎視聴率は19.7%
別に法に触れたワケでもないのに、企業としてトップが弁解を入れるレベルで国民から怒られる。何をやってもフジテレビ。
新作映画の宣伝に結びつけるつもりが、ディズニーもとんだケチをつけられて、今後、もうフジとは組みたがらないかもしれない。あと、関係ないけど、騒動を報じるネットニュースの見出しが、「アナ雪ED」って書いてあって、何かちょっと下ネタ臭が。本当にありそうだもんな「アナ雪ED」って。もう何もかもディズニーの嫌う要素しか。
「ジブリは日テレ」みたいに「ディズニーはフジ」を取り付けたい。その野望への第一歩のはずが、踏み出す前から後ろ向き。
やっぱりコツコツ『サザエさん』で行くしかない。消去法が沁みる、フジテレビの春。
◎あふれるクリエイティビティ
いまだ解決の糸口が見えない「慰安婦少女像」問題。少女像の撤去の気配がないまま、さらに新しく「強制徴用労働者の像」が作られるという話が。このままいくと、「白村江の戦いの像」「元寇の像」「昔奪われた仏の像」と、どんどん新像が出てくる可能性が。
逆にもういっそ、そういうのを鋭意募集し、建てたいだけ建ててもらって全部置き、彫刻の森美術館みたいにした方が、解決法として現実味があるのかも。「無意味化」という意味で。
◎大規模な実験か
星野リゾート、「新今宮」進出の衝撃……! いわゆる「ドヤ街」と言われている場所に、外国人観光客がどんどん押し寄せている、というニュースはよく目にするが。「高級リゾート」ってのは初である。人類史上初。
宿泊客に、ある意味マッドマックス的荒廃光景を見せたい、という新サービスなのだろうか。近くのスーパー玉出の1円コーナーや、ワンコインで泊まれる宿泊施設、使い終わったマスクが売られてたりするブルーシートの、毎日蚤の市が体験ツアーに組み込まれたりするのだろうか。金を持てあました金持ちたちの遊びということなのか。それとも、あの周囲まるごと全部買って、スパーンとならしてしまう計画なのか。
どちらにしても、関西人にとって、どてらい計画であることは確かだ。部外者はあんまり立ち寄らない、行楽色皆無のあの場所を「でも便利じゃん」の一点突破で高級リゾートに。確かに便利なとこなんだけども。地元じゃあおよそ考えられない、よそ者にしかできない力業。ま、泊まりに来るのもよそ者だからいいのか。ってことはこれでいいのか。本当か。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。