サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「nina’s」問題企画が再び登場 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「nina’s」1月号 「nina’s」の「男の子ママVS女の子ママファッション」に滲む「子どもは最高のアクセサリー」感 2017/01/08 16:00 女性誌速攻レビューninas 「nina’s」2017年1月号(祥伝社) 2カ月に一度のママたちの紅白オシャレ合戦、「nina’s」(祥伝社)。年末年始はオシャレママたちが血沸き肉躍る季節であることをご存じでしょうか。なぜならイベントがめじろ押しだから!! この時期のコストコ/IKEAは、血眼でカートを操るママたちの戦場と化しております。というわけで、今号の特集は「メモリアルイベントをHAPPYプロデュース!」。リードには「子どもが生まれると、記念日は増えるもの。あっという間に過ぎる毎日を大切に刻むために、メモリアルな日を私たちらしくお祝い!」とあります。まさかこんなところで“何でもないようなことが幸せだったと思う”といったTHE虎舞竜理論に出合うとは……!! あっという間に過ぎる毎日や二度とは戻れない夜には、二度と戻らないほうが幸せだったりすると思うのですが、どうでしょう?? <トピックス> ◎特集 メモリアルイベントをHAPPYプロデュース! ◎すてきなママのはじめてイベント ◎男の子ママVS女の子ママ 冬おしゃれ対決SNAP ■これはもう記念日地獄 リードに絡んでもしょうがないので、さっそく中身を。この「メモリアルイベントをHAPPYプロデュース!」特集、PART1には「すてきなママのはじめてイベント」として、出産後はじめてのイベントをオシャレママたちはどう過ごしたのかというインタビューが掲載され、PART2の「みんなのメモリアルイベントテク拝見」は各イベントをどのように過ごし、どのように記録に収めたのか、人気読者ママたちのイベント写真を使って紹介しています。 お誕生日、ハロウィン、クリスマス、お正月は当たり前。ハーフバースデー、1000日記念なんて謎なイベントから、お食い初め、節分、端午/桃の節句など“日本の伝統行事も大事にしてます系”まで、みなさん気合入れまくり。とにかく飾りものにこだわるのがオシャレママのお約束で、「壁の文字はウールレターで製作」「娘のイメージに合わせてガーランドも手作り」「インスタ映えするマダムモーの鯉のぼり」と、知らない横文字に支配されています。 今日びママはここまでやんのかい……と慄くはまだ早い。PART1に出てくる女優・野波麻帆のインタビューでとどめを刺されます。「次女の誕生日は長女のお姉ちゃん1年記念日でもあるから、長女にもプレゼントとしてずっと欲しがっていたシルバニアファミリーの赤ちゃんをあげました」と、冒頭から新しい概念「お姉ちゃん1年記念日」にやられます。さらに夫も「去年のクリスマスはサンタクロースに夫自ら変身して『我が家に忍び込みプレゼントを置いていく』様子を撮影して娘たちを喜ばせていました。細身の夫のお腹にタオルをぐるぐる巻いて太らせて、娘たちには全然バレませんでしたよ」と、新劇の俳優ばりの役作り。「2人とも、初ギフトはバニラの香りのするフランスの赤ちゃん人形」「最近は雨の日にお菓子を作っていて」「1年に1度、おばあちゃんが1人でやっている商店街の写真館で家族写真を撮る」……。資本を大量に投下せずとも、工夫、センス、手間暇で豊かな生活は醸し出される。オシャレママたちにとって、その発表の場が「記念日」なのでしょう。イベントにかこつければ、いやらしさなく家事育児への日々の努力を存分にアピールできる。今更ながら「nina’s」の、その手のママたちの虚栄心のくすぐり方、エゲつないわ~。 次のページ 問題企画再び…… 12次のページ Amazon nina's(ニナーズ) 2017年 01 月号 [雑誌] 関連記事 「正解を先回り」して安堵する「nina’s」子育ての息苦しさ女児持ち専業主婦はゆったり、男児持ちWMはカツカツ……「nina’s」の属性刷り込みがスゴイ一色紗英が「nina’s」10周年記念で、「母になったら普通のことを普通に言っちゃいけない病」を炸裂ビジネス誌のスーパーママ礼賛記事より読者に追い込む、「nina’s」の復職特集日用品は外国製なのに、七五三は伝統的に! 良妻賢母が愛国と結びつく「nina’s」ママ